メールは論理展開の証拠を残すために使う
チャットではダメなワケ
続いては、メールが適するシーンです。
先ほどの、対面・口頭とは異なり、こちらは「エビデンス(証拠)」が残ります。
そのため、意図的に、話した内容を記録したい場合に有用です。
議論した内容をメモ書きにして送る、などが一般的です。
議論内容をワードやパワーポイント形式でまとめた際にも、要旨はメールに書いておくといいでしょう。受信した人の「ファイルを開く」という一手間がなくなるのみならず、メールの返信履歴を追いかけるだけで “エビデンス”を確認できるというメリットがあります。
こちらがどういう要求をして、相手がどんな返事をしてきたのか。相手からの依頼に対して、こちらがどういう理由付けで断ったのか。お客様からの注文内容が何で、それに対して納期や契約条件をどのように返信したか。
こうした情報が、ひとまとまりの情報として共有されるのがメールです。
ビジネス上、こうした情報が必要になるのは、あまり好ましい状況とは言えませんが、いざというときのために、しっかり記録しておくのはビジネスマンとして非常に大切な心構えです。
なお、チャットツールでも記録は残るのですが、後から編集が可能だったり、複数のチャットに情報が分散してしまって探しにくかったりするため、一連の流れを追うのには、メールの方が適しています。
一つのテーマについて語ろうとしても、チャットの流れの中で他の話題も混入してしまいがちなので、ワンテーマで情報をまとめたければ、notionなどの別のツールを通用する必要が出てくると思います。
ツールは、一長一短
最適な手段を選べるように
もちろん、チャットツールにも非常に良い点はあります。
また、ウェブ会議も非常に有用です。そもそも、物理的移動がなくなるというのは、こんなにも生産性に直結するのか、と使い始めた頃には驚愕しました。
そのため、メールよりもチャットが良い、対面よりもウェブ会議が良いケースがあるのは当たり前です。
全てのコミュニケーション手段には、一長一短の特徴があるわけです。
その特徴を理解し、それを最大限に有効活用することが、仕事の質を上げ、生産性を高めます。
若手社員にはぜひ、得意・不得意、あるいは、好き・嫌いでコミュニケーション手段を選ばないように指導しましょう。
最適なツール、最適な手段を用いることで、彼ら・彼女らの仕事力は格段に向上し、貴重な戦力に育ってくれるはずです。








