マンション羅針盤 管理&売買#16Photo by Yoko Suzuki

新築マンションの高騰に伴い、特に首都圏でじわじわ増えている定期借地権マンション。所有権マンションと比べると新築でも割安とあり人気を集めている。ただ、そこには売却時の価格面でも、築古になったときの管理面でも、あまり語られないリスクが山積しているという。連載『マンション羅針盤』の第16回では、知られざる定借マンションのリスクを専門家が解説する。(マンション管理士 澤田 亮)

新築なのに安い、で飛び付くと大変なことに…
定借マンションには多くの問題がある

 新築マンションの高騰もあり、近年首都圏でじわじわと開発件数が伸びている定期借地権マンション。建物は区分所有としながら、土地は所有せず地権者から一定期間借りて利用する形態の分譲マンションです。その最大の特徴は、借地権にあらかじめ存続期間が定められており、契約更新が予定されていない点にあります。おおむね50年以上の期間が設定され、期間満了時には建物を解体し、更地で土地を返還することが契約上定められています。

 都市部を中心とした土地価格の高騰に伴い、土地を手放したくない土地所有者と、分譲価格を抑えたい事業者・購入者の利害が一致し、普及してきたのが定借マンションです。同じ立地や規模の所有権マンションと比べて価格が安い点が大きな魅力として消費者に喧伝されています。価格が安くとも、新築当初であれば、管理や修繕の問題が顕在化しにくいため、一般の分譲マンションと大きな違いを意識しないまま使用できるのもメリットと見られています。

 しかし、この定借マンションには多くの問題があるのです。将来的に直面するリスクと課題をしっかり認識してから購入しないと、手痛いダメージを被りかねません。にもかかわらず、買主がわなに陥るような不誠実な売られ方をしているケースも見受けられます。今回はこの定借マンションについての課題や問題点を見ていきましょう。そもそも、新築の所有権マンションと比べて定借マンションは本当に「お得」なのか?詳細なシミュレーションも次ページから紹介していきます。