マンション羅針盤 管理&売買Photo:MIXA/gettyimages

マンション売買取引時に欠かせない、その物件の管理状態を詳細にまとめた重調(重要事項調査報告書)。管理会社が不動産業者に対して発行する重調の手数料が高騰しているとして話題になっている。実はマンションオーナーにとっても人ごとではないこの問題を専門家はどう見るか。連載『マンション羅針盤』の第15回では、マンションオーナーが知らない重調の真実について取り上げよう。(フルニール代表 中村優介)

20万円の重調は妥当かボッタクリか?
そもそも重調とは何か、誰が発行すべきものなのか

「重調が高い!ボッタクリだ!」このような不動産業者による不満がしばしばSNSで炎上しています。

 重調とは、重要事項調査報告書のことで、これは不動産取引の際に宅地建物取引業者(以下宅建業者)が買い主に対して行う重要事項説明(以下重説)の発行の基となるもの。マンションの管理体制、修繕などの状態、マンション全体の積立金の金額から滞納状況まで、マンションの管理に関する内容が記載されているものです。通常はマンション管理会社が所定の手数料を仲介会社から取った上で発行するものですが、これが高過ぎる!などとして度々炎上しているのです。

 宅建業者は宅建業法第35条の規定により、取引の相手方等に対し、契約成立前までに、同法で定められた一定の事項について書面を交付して説明しなければならないとされています。重調の発行手数料の額は管理会社によって異なるのですが、中には19万8000円という強気の設定をしている会社もあり、SNS上で度々炎上する事態となっています。

 宅建業者の「高い!」という主張は妥当なのか。そこには実はある種の傾向が見えています。そもそもこの問題の根本原因は何なのか?そしてこの重調については、一般の方がマンションを売買する際にも見えない障害となる可能性が高いのです。次ページからマンション管理の専門家の目線でじっくり解説していきましょう。具体的な対策についても触れていきます。