下の図ではコメダの売上を試算的にモデル化して分解してみましたが、座席回転率的にはカフェ、客単価的にはファミレスに近く、「カフェの仮面をかぶったファミレス」と表現したほうがよいのかもしれません。

コメダ出典:有価証券報告書、フランチャイズ契約の要点と概説などから著者推計
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「FC比率が高いから利益率が高い」説は
本当なのか?

 第2の謎は、FC店舗を統括するコメダ本部の収益性です。

 コメダ珈琲店を傘下に抱えるコメダホールディングスの2025年2月期の営業利益率は18.7%で同業他社であるスターバックス コーヒー ジャパンの7.7%、ドトールコーヒーの4.9%(部門利益率)を圧倒しています。

 この高収益の要因として、97%というコメダのフランチャイズ(FC)店舗比率の高さが取り上げられることが多いのですが、そうなのでしょうか。

 百聞は一見にしかず、カフェ業界でのFC比率と営業利益率の関係をみてみましょう。

 カフェ業界ではコメダほどFC比率の高い競合がいないため、他の外食企業として、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋と、B-Rサーティワンアイスクリームも加えてみました。

 これを見ると、FC店舗比率が高いからといって営業利益率が高いとは言えず、営業利益率が10%を超えることはありません。

 なぜ、コメダ本部の収益性が高いのか、他の理由を探す必要がありそうです。

コメダ出典:有価証券報告書、フランチャイズ契約の要点と概説、SPEEDAなどから著者作成
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