15分の徒歩通勤をするだけで
夜の寝つきがグッとよくなる

 では、実生活のなかで具体的にどのようにして朝の光を浴びたらいいのでしょうか?

 最も推奨されるのは、外に出て光を浴びることです。医学的に言えば、5000~1万ルクスの光を30分以上浴びるのが理想です。

 一般的な室内の光は500ルクスくらいでとても弱いのですが、外なら曇天でも1万ルクス前後、快晴でしたら約3万ルクス以上はあると推測できます。

 ですから、朝もしくは午前中の散歩を30分程度できればベストですが、それはむずかしいという人は、15分だけベランダに出る、窓をあけて明るい窓際に15分いるなどでもいいでしょう。

 朝の出勤時に15分程度外を歩く時間を確保するのでも効果的です。

 時間がなくて朝に光を浴びることができなかったら、お昼休みの時間に光を浴びるのはいかがでしょうか?

 朝いちばんの太陽にこだわらず、お昼くらいまでなら許容範囲です。

 少し離れた場所に昼食をとりにいくなどして、15分程度、外歩きの時間を確保してみましょう。

 特に寝つきの悪い人は、短い時間でも太陽の光を浴びることがプラスになりますので、できる範囲で太陽の光を浴びることを意識してください。

 朝の光を浴びることは、「眠るための準備」をするようなものです。夜ぐっすり眠るためには、朝の光がとても大切なのです。

朝食を食べた瞬間に
脳は「朝になった」と認識する

 朝、明るい光を浴びることの重要性は前述したとおりですが、朝食を摂ることで体内時計がリセットされることはあまり知られていないかもしれません。

 2017年にアメリカ人科学者3名がノーベル生理学賞・医学賞を受賞したことで広く知られるようになった体内時計ですが、この体内時計を形成し調整しているのが数多くの「時計遺伝子」です。

 体内時計は脳だけでなく、ほぼ全身の細胞に存在し末梢組織でも機能しています。

 脳の「視交叉上核」と呼ばれる部分、目の奥にある視床下部という部分に「主時計」があり、末梢組織全体、特に消化管や肝臓などに「副時計」があります。

 体内時計は、私たちの睡眠や覚醒のタイミングを決定するとても大事なシステムです。