年越しそばはOKでも
年越しうどんがNGな理由

「体内時計は、朝の方が血糖値を下げるインスリンの効果が高く、夜になると働きが弱くなるというリズムを作っています。そして肝臓の末梢(まっしょう)時計(時計遺伝子)はインスリンの量が増えることで動き出しますから、体内時計をしっかり動かすにはむしろ朝食では、白米やパンなど食後血糖値を上げやすいもの(高GI食品)を取り入れたほうがいいでしょう」

「反対に夕食では、体内時計を動かしにくい、そばや玄米などの低GI食品を選ぶことが、きれいな体内リズムを描くコツなのです。ですから年越しそばではなく、年越し『うどん』にしてしまうと、血糖値が上がり、それに伴って体内時計も動いてしまいます」(柴田氏)

 夜は血糖値を下げるインスリンの働きが弱くなるため、同じ食事を朝・昼・夕に取れば、夜が一番血糖値が上がりやすい。

「夜の食事で低GI食品を選び、高血糖にしないことが体内時計のリズムを乱さないために重要なんです。高血糖は睡眠にも悪影響を及ぼします。そのメカニズムは正確には判明していないのですが、これから寝ようとしているところに、どーんと体内に糖が増えてしまったら、『この糖はどう使えばいいのか』と、体もびっくりしてしまうのではないでしょうか(笑)」(柴田氏)

食物繊維が豊富な
「十割そば」か「二八そば」が良い

 低GI食品であるそば、それも「そば粉を100%使用して作られた『十割そば』、そば粉が8割、小麦粉が2割の比率で作られた『二八そば』を選ぶといいでしょう」と管理栄養士の望月理恵子氏がアドバイスする。

「そば粉の割合が多いほど食物繊維が含まれて血糖値上昇を抑えますし、そば粉に含まれるルチンも多く摂取できます」

血糖値の上昇を防ぎ
血管を強化する「チョイ足し」食材は?

 加えて、血糖値上昇抑制に役立つ食品をトッピングするといいということで、柴田氏がイチオシするのが「食物繊維が豊富なとろろ」。

「とろろ、もしくはワカメ、またその両方をそばにのせることで、高血糖を防ぐ年越しそばとなるでしょう」(柴田氏)

 とろろは血管を強化する働きがあるビタミンCも含まれる。望月氏が「血管強化そば」として紹介するのが、とろろだけでなく「大根おろし」や「ゆず」「しょうが」を追加することだ。