「抗酸化作用があり、コラーゲンの合成を助けるビタミンCは毛細血管を強くし、動脈硬化を予防します。とろろ以外にもビタミンCが豊富な具材は、『大根おろし』や『ゆず』ですね。どちらも消化を促進する作用もありますから、夜に年越しそばを食べる上で胃腸にやさしく、お勧めです」

「ゆずの皮に含まれるヘスペリジンは血行促進に働きかけますので、刻んで皮ごと摂取できるとなお良いですね。また、すりおろしたしょうがをそばの汁に入れてもいいでしょう。しょうがに含まれる強い抗酸化作用を持つビタミンEが、血管を拡張して血液の流れを良くする作用があります」(望月氏)

抗菌作用のある
ネギやわさびもおすすめ

 ちなみに筆者は最近、市販されている瓶入りの「おろししょうが」を購入し、しょうが焼きはもちろん、汁物にティースプーン1杯強のしょうがを混ぜている。いちいち自分でしょうがをすりおろす作業をしなくていいので、手軽に多くのしょうがを摂取できるし、食後に体がポカポカする。もちろんチューブタイプでもいいと思うので、試してほしい。

「とろろ」か「ワカメ」、「大根おろし」――それに「刻みネギ」もたっぷりのせたい。

「風邪が流行(はや)っていますから、抗菌作用のあるネギ、またわさびをアクセントに加えるといいでしょう。そういった薬味を加えて、そば湯(ゆで汁)もぜひ飲んでください。ビタミンB1・B2といった水溶性の栄養素が摂取でき、疲労回復が期待できます」(望月氏)

天ぷらをトッピングするときは
就寝の3時間前には食べ終えて

 そして年越しそばに定番の「天ぷら」だが、本来夜にはあまりお勧めできない。

「天ぷらそば、カレー南蛮そば、肉そばなどは消化に時間がかかるため、血糖値をゆっくり上げ、満腹感を維持するというメリットがあります。ですので昼に食べる場合はいいのですが、夜にこれらを食べると、睡眠の質が悪くなったり胃もたれしやすくなったりします」

「ただし、せっかくの年越しですから、天ぷらをいただく場合は、あまり夜遅くならないように、せめて就寝の3時間前には食べ終えてほしいと思います」

 柴田氏も「年越しそばに限ってならいいのではないか」と言う。

「天ぷらは、言ってみれば“脂肪の塊”ですから、昼に食べればエネルギー源になりますが、夜に食べると太りやすくなります。ただ、油と一緒に取るということで高血糖は防げるでしょう。また同じ“細く長く”の麺であるラーメンと比較した場合、ラーメンは動物性脂肪が多く、血管に負担がかかりますから、年越しラーメンよりは、まだ『年越し天ぷらそば』の方がいいと思います」