上司が部下との信頼を獲得するために徹底すべきこと、それは連絡をマメにすることです。
そんな当たり前のこと、と思うかもしれませんが、これを徹底できている上司は決して多くありません。
部下からの連絡にすぐ返信する。今すぐに返信できなくても、「今手が離せないから、15分後に返事します」などと見通しの立つ返事をする。連絡にムラがある人も少なくない中、これを常に徹底するだけで案外、周りを出し抜けるのです。
また、部下からの連絡に応えるだけでなく、部下の仕事ぶりを見ること、そして「見ている」ことを伝えるマメさも必要です。
会話はキャッチボールとよくいわれますが、投げる(発信)と同じくらい、受け取る(受信)が大事なんです。その際、見て終わるのではなく、「あなた(部下)が発信している内容、ちゃんと見てるよ」ということを伝えましょう。
上司という立場にあると、さまざまなメールのCCやチャットに入れられていて、「特に返事は求められていないけどやりとりを見ている」という場面が非常に多いと思います。
そんなとき、毎回でなくても、「提案見ました。いい感じですね」「企画書の完成度高まってきましたね」などと伝えてみてください。褒めるのが苦手であれば、「見ました」だけでもいいと思います。
一応CCに入れておいたメールでも、ちゃんと見てくれている。部下の仕事ぶりに関心を持ってくれている。こうした気づきが上司への信頼につながっていくはずです。
チャットツールであればリアクションボタンも便利です。こまめに「見ているよ」「情報をキャッチしているよ」ということを伝えましょう。
内容よりもスピード重視!
「仕事がしやすい上司」になろう
五百田達成さんの著書『会話IQ 本当に頭がいい人の話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
「部の定例会でバシッと良いこと言って尊敬されたい!」と思うかもしれませんが、それができる人はごくごく一部に限られます。
スピーチの天才でない多くの人は、思いのこもった言葉を残すより、やりとりを頻繁にすることによって信頼関係を築くほうが確実なのです。
内容よりもスピード重視。「じっくり考えてから返信したいな」というときは、「考えてから返信したいから○日ください」と、そのまま伝えます。
リモートワークが一般的になった現在はなおのこと、「見たらわかるでしょ」は通用しません。だからこそ、実況中継のように自分のことを伝えます。相手の状況に対しても同じです。「今忙しいかな?」などと慮るのではなく、「今忙しいですか?」と聞きましょう。
これを伝えて大丈夫かな、嫌な気持ちにならないかなといった不安があるなら、感情も含めて伝えてしまうのも一手です。「○○さんに企画書見てもらうの、初めてでビビッてます」とか。
何を考えているかわからない謎めいた上司と、ちょっと“オレ通信”っぽいけど考えていることがダダ漏れの上司なら、後者のほうが「仕事がしやすい」ですよね。
前回もお伝えしましたが、「仕事がしやすい」というのは良い褒め言葉だと思います。
「尊敬される」とか「一生ついていきたい」というのは、ハッキリ言って、時代的にもう目指すのが難しい。そんな中で「仕事がしやすい」は、上司にとって、今部下から得られる最高の褒め言葉といえるのではないでしょうか。







