“聞き手の脳に届く声”の作り方——発声・アクセント・スピードのポイント

(1) 腹式呼吸

 意識するのは「吸うより、吐く方を長くする」。お腹を使って、吐く息を安定させることで、声がふらつかず、オンラインでも明瞭に相手に届きます。

 息を吐くときは、お腹が凹み、吸うときは、お腹が膨らむ呼吸法が腹式呼吸です。

 仰向けになると必然的に腹式呼吸に切り替わりますので、夜、寝る前にベッドで仰向けになりながら、リラックスした状態で腹式呼吸を練習することをお勧めします。

(2) 「最初の3文字」で決まる

 日本語は、英語に比べて平板な言語といわれますが、実際には最初の3文字の抑揚で、印象がほぼ決まります。聞き手の脳は、最初の音(語頭)の高さ・強さ・明瞭さで話し手の印象を瞬時に判断するとされているからです。

 例えば、「ありがとうございます」を一本調子で言うと不愛想な響きになり、感謝の気持ちが伝わりませんが、「あ・り・が」だけ声のトーンを軽く上げて、あとは落とすと、丁寧で優しい印象に変わります。ポイントは、最初のアクセントを少し高く、語尾をやや下げること。つまり、抑揚を少し付けるだけで、相手からは“落ち着いた大人の話し方”という印象をもってもらえます。

(3) スピードは「1分間に280〜320文字」が黄金比

 アナウンサーのニュース読みは1分間で300文字前後。ビジネスにおけるプレゼンテーションも同じスピードを意識すると、相手が話の内容を、頭の中で「映像」として思い浮かべながら余裕をもって聞くことができます。早口になりやすい人は、文の頭をゆっくりするだけで話し方が改善し、伝わりやすくなります。

(4) 句読点の位置で声を休ませる

 文の終わりの句読点の後で、1拍ほど“間(ま)”を入れます。心の中で、ゆっくり「いち」と数える感じです。また、次の話が大きく変わる場合は、2拍ほど間を入れると話が展開することが聞き手に伝わり、「次はどんな話になるのだろう」と興味を引くことができます。特にオンラインは音が途切れやすいため、間がなく話すと、聞き手は一気に疲れてしまいます。逆に、適度な間は余裕が感じられ、「自信のある人の話し方」に聞こえるメリットもあります。