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「相続」において家族が最も負担に感じることは、税金の金額そのものではないケースが多い。相続にまつわる苦しさの正体は、「遺された資産をどう扱えばよいのか判断できない状態」に家族が置かれることにある。連載『富裕層必見! 資産防衛&節税術』の第8回では、資産家のための不動産を中心とした資産戦略コンサルタントの立場から、節税に先立つ相続対策の「本質的な価値」を明らかにする。(有栖川アセットコンサルティング代表 鈴木子音)
対策を早く始めた人ほど
相続は“穏やか”に進む
「まだ元気だから、相続の話は早すぎるよ」――。
相続のご相談の場で、そう口にされる方は少なくありません。事業も資産運用も順調で、日々元気に過ごしていれば、相続はどうしても遠い先の出来事のように感じられるものです。差し迫った課題ではない以上、後回しになるのも自然なことです。
相続対策についてお話しすると、多くの人が似た言葉を口にします。「必要なのは分かっているけれど、今すぐ取りかかるほどではないのではないか」「もう少し年を重ねてからでも遅くはないのではないか」と。こうした感覚は、決して特別なものではありません。
ただ、相続実務に長年携わる立場から振り返ると、一つはっきりと言えることがあります。
それは、「相続対策は早く始めた人ほど穏やかに進む」という事実です。これは知識の有無や資産規模の問題ではありません。相続対策の行方を大きく左右するのは、「どれだけ時間的な余裕を持って考え始められたか」という点が大きな要因なのです。
では、なぜ時間の余裕を持つことがそれほど重要なのでしょうか。







