この点を踏まえると、観察内容の記録にも工夫が求められます。朝のミーティング後、商談の直後、週次報告会のあとなど、メンバーの行動や成果が表れる機会の直後に記録の時間を確保します。
通知設定を活用して時間を確保し、その場で記録しましょう。
「事実をベースにホメる」ための3要素、「状況」「行動」「数値(成果)」を意識すると、質の高い記録につながります。
状況(いつ、どんな場面で):日時だけでなく、「どのような課題に直面していたか」「どんな制約があったか」といった、その行動がとられた背景や文脈も記録します。これによって、その行動が持つ価値がより明確になります。
行動(どのように):「どのような工夫をしたか」「ほかのメンバーとどうやりとりしたか」など、具体的な発言や行動を詳細に記述します。
成果(どのような効果があったか):その行動によってもたらされたポジティブな結果(数値的な改善、問題解決など)も、可能であればあわせて記録しておきましょう。
『組織と人を動かす科学的に正しいホメ方 ポジティブ・フィードバックの技術』(伊達洋駆、黒住 嶺、WAVE出版)
予想外の行動も重要です。たとえば、通常は個別に処理している案件について、関連する部署と情報共有を行ない、解決方法を見出そうとする行動などが該当します。このような行動の背景には、業務の課題への気づきや、良い方法を模索する姿勢が隠れているかもしれません。
鋭い観察を実現するには、自分の目だけではなく、ほかの観察者とも視点を共有しましょう。同じメンバーの行動でも、立場が異なれば異なる側面が見えてきます。
たとえば、プロジェクトリーダーからはタスク管理能力として見える行動が、他部門のメンバーからはコミュニケーション能力として評価されることがあります。普段は控えめに見える人が、特定の業務では頼りにされている、といった発見も生まれます。
多角的な観察によって、その人の持つ可能性や、異なる場面における活躍の機会を見出すことができます。






