数々の事業を展開しながら、大ベストセラーの『人は話し方が9割』シリーズを執筆した敏腕実業家が、多くのリーダーたちが抱える悩みの解決法をズバリ解決。管理職、上司、店長、どんなリーダーにも役立つ、話し方のコツとは?本稿は、永松茂久『リーダーは話し方が9割』(すばる舎)の一部を抜粋・編集したものです。
部下の自己重要感を高める
「魔法の12ワード」
一概に部下、メンバー、スタッフと言えど、いろんなタイプがいます。できれば1人1人に合わせた話し方ができればいいに越したことはありません。
しかし、その数が多くなればなるほど、それは難しくなります。
たとえ短いひと言であったとしても、それが本当に嬉しいものであれば、人は動き始めます。できれば誰が言われても嬉しいひと言を無意識に使えるようになると、なおさら下の立場の人のやる気を高めることができます。
ということで、多くの人の心に刺さり、簡単に自己重要感を高めるひと言を集めてみました。
1「うん、いいねえ」
部下はリーダーに認めてほしいと思っています。常に承認を求めていると言っていいでしょう。部下が提案してきたこと、部下が思っていることを一概に否定するのではなく、まずは肯定から入りましょう。
「自分の意見を拾い上げてくれた」「リーダーが共感してくれた」それだけで部下の自己重要感は上がります。まずはこの言葉を使えるようになりましょう。
2「一緒に考えようか」
部下が何かの壁にぶつかって悩んでいるとき、「解決しないと」と力んでしまいそうになるかもしれませんが、いまの時代、答えをくれるリーダーより、自分に寄り添ってくれるリーダーを部下は求めています。無理に答えを言おうとするのではなく、まずは相手の話をよく聞き、一緒に解決策を探していきましょう。
3「よくがんばったね」
結果がどうだったかは別として、まずいったんは、その労力をねぎらうことでその人は報われます。人は「がんばれ」と言われるより、「がんばったね」と、その努力を認めてもらえたほうが、自分のやったことに対しての満足感を感じるのです。
4「君ならできる」
リーダーのひと言というのは大きな力を持っています。「大丈夫か?」「本当にできるの?」という不安な言葉を先に頭に打ち込まれると、無意識においてどうしても失敗のイメージがついてしまいます。
逆に「できる」と言われると、それまで無理だと思っていたことでもできるようになるのです。良くも悪くも言葉は相手の頭の中にイメージを描きます。どうせなら部下の心をいい方向に導いていきたいものです。
5「大丈夫」
この言葉はこれまでも人に安心感を与えてきた代表的な言葉です。特にリーダーの「大丈夫」は部下に大きな安心感を与え、いい意味で力を抜きます。人は緊張したときより、リラックスしたときにパフォーマンスを発揮します。
「大丈夫」。部下たちの心に不安がよぎったとき、たとえその言葉に根拠があろうとなかろうと、このひと言は、先の見えない不安を取り払ってくれるのです。