重要なのは、この部門担当制が単なる「仕事の分担」ではなく、各スタッフが「小さな経営者」として責任を持つ点です。
店舗のスタッフがそれぞれの自分の持ち場で、その地域のお客様のニーズに合った品揃えをします。自分の担当している部門で最高の売り場、地域のお客様のニーズに一番沿った究極の売り場を目指します。
この仕組みにより、「全員経営」というユニクロの基本戦略が、最前線の店舗スタッフにまで広がっています。現場の最前線まで広がったことで、全員経営がより極まった形になっているのです。
「店は客のためにあり、店員とともに栄え、
店主とともに滅びる」
柳井さん(編集部注/社長兼会長の柳井正氏)は「店舗が1つの単位で、そのために本部があり会社がある。会社があるのはお客様のため」と強調しています。
「店は客のためにあり、店員とともに栄え、店主とともに滅びる」という社長室に飾ってある言葉を引用し、これまでは店長が主役だったが、これからは店舗スタッフを主役にした「究極の個店経営」に180度方針転換をしていくということを宣言しました。
また「即断・即決・即実行」を商売の基本とし、「実行して初めて状況に気づく」と述べています。こうした考え方が、現場の店舗スタッフに権限を与える「部門担当制」の基盤となっています。
また、柳井さんは「あらゆることについて誰に責任があるのかはっきりすべき」と強調して、店舗スタッフ1人ひとりが自分の担当分野で責任を持つことを求めています。
同時に、「自分が責任者だと思ってマニュアルを超えてお客様の立場で判断すべき」とも語っています。この考え方が、「究極の個店経営」における店舗スタッフの主体性を支えています。
とはいえ、誰もがいきなり経営者のように意思決定できるわけではありません。「1人ひとりが経営者」になるための基本は、「経営者になるためのノート」に書かれています。
これは柳井さんがまとめた経営の原則を記したもので、「それを日々の仕事の中で体現していく」ことが求められます。
「経営者になるためのノート」は、もともとユニクロの幹部社員育成のための門外不出の小冊子として2012年に作成され、2015年に一般向けに出版されました。







