スタッフコンベンションを通じて、参加者は「店舗のことしか知らない」状態から意識が大きく変わります。他の店舗の取り組みを共有することで、やる気にも火がつき、社会人としてレベルアップできる効果が生まれています。
人は自分ではなかなか変われません。環境や他者の行動が大きく影響します。同じような立場の人の話を聞くことで、「自分もちょっとチャレンジしてみよう」と全体のモチベーションが底上げされます。
世界中の社員が同じ方向を
向いて働ける環境を整備
また、こうしたイベントは店舗でのスキルだけでなく、ユニクロの会社としての考え方を伝える重要な場にもなっています。
単なるスキル教育ではなく、「パーパス・ドリブン」(編集部注/組織の目標を起点に事業活動を行うこと)な考え方が全社員に浸透するよう図られています。
スタッフの中には地元で働き続けたい人も少なくありません。「究極の個店経営」は、地域の人々の「地元で働きたい」という希望に応える点でも価値があります。
住み続けることで、その地域に詳しくなるため、仕事にもプラスになります。そうした情報に基づいて、自分の考えた仮説が実を結んで売上や利益が上がれば、達成感も大きくなります。成功体験がさらなるモチベーションにつながるという好循環が生まれるのです。
『ユニクロの戦略』(宇佐美潤祐、SBクリエイティブ)
パフォーマンスが上がれば会社はそれに報います。ユニクロは2023年、国内の正社員を対象に、年収を数%~40%ほど引き上げました。
同社の有価証券報告書によると、2023年8月期の平均年間給与は前期比20%増の1147万円と、1000万円の大台を突破。国内小売業ではセブン&アイ・ホールディングス(818万円)やイオン(862万円)を3~4割上回る水準です。
柳井さんは「ベースアップみたいなことは考えていない。1人ずつが正当に公平に評価されることが必要」と強調しており、この賃金制度も店舗スタッフを含めた社員のモチベーション向上に貢献しています。
このような施策によって、ユニクロの社員の意識は常に強化・更新され、世界中の社員が同じ方向を向いて働くことができる環境が整えられているのです。







