結論からいうと、多くの国で法整備が発展途上にあることから、普及していません。
ただし、カナダでは、連邦レベルでの導入には至っていないものの、オンタリオ州の複数の市町村選挙でネット投票が実施されています。なお、米国はトランプ政権下で選挙への陰謀論が広まったことからも、進む気配はありません。
では、日本でネット投票を導入するための課題は何でしょうか?
ちなみに、「電子投票」という制度自体はすでにあります。地方公共団体が条例で定めた場合は、その長や議員の選挙で「電子投票機」を使うことができます。
とはいえそれは投票所でパソコンやタブレットを使うものであり、投票所に行かずにオンラインで投票するものではありません。電子投票の導入だけでも開票作業の手間暇は格段に減るでしょうが、まだ国政選挙では認められていません。
ネット投票に戻ると、課題は技術的な信頼性の確保と法制度です。公職選挙法は紙の投票用紙による投票を原則としており、電子投票を想定していません。ネット投票には法改正が不可欠です。
一方で、最近になってようやくマイナンバーカードが普及したことにより、実現可能なベースは整いつつあります。ここまでの道のりだけでも紆余曲折、波乱万丈でした。
消えた年金記録問題と
マイナンバー紐付けミスの共通点
筆者はかつて「消えた年金記録問題」の現場に深く関わりました。 公的年金記録に多数の誤りがあり、年金を受け取れるはずの人が適正な額を受給できない、あるいは受給資格自体を失う可能性が明らかになった問題です。
あのとき痛感したのは、どれだけ立派な制度を掲げても、最後はマスターデータを正確に管理する「仕組みと運用」がなければ、国民の信頼は一瞬で失われるという現実です。 紙台帳と旧システムが乱立し、誰も全体像を把握できないまま場当たり的に対応した結果が、あの膨大な「記録漏れ」でした。







