スマホ×マイナンバーが本格化すれば
ネット投票の実現も夢ではない?
しかしこの普及が進めば、物理カードなしでスマホのみでの本人確認、受診、運転、行政手続きが完結する環境が整い、個人IDインフラとしての有効性が完成期に入ります。
ネット投票の話に戻りましょう。すでに多くの自治体ではマイナンバーカードを用いた本人確認が行政手続きの前提となっており、マイナポータルとの連携も進んでいます。ここにネット投票というユースケースを追加することは、技術的にも運用的にも延長線上にあります。
さらに、スマホのマイナカードが本格化すれば、この流れは一気に加速します。スマホの生体認証と組み合わせることで、なりすましや不正投票のリスクを抑えつつ、投票行為そのものを日常の延長に置くことが可能になります。
ただし同時に、マイナポータル上で個々人が自身の個人情報の利用状況を確認・制御できる仕組みを整備することが不可欠です。透明性と自己決定権を担保しなければ、デジタル化は信頼を得られません。
エストニアでは国民ポータルを通じて、どの行政機関がどの個人情報にいつアクセスしたかを自分で確認できます。一方、日本のマイナポータルでは保有情報の確認は可能ですが、行政機関によるアクセス履歴の確認には情報開示請求が必要です。この点においても法整備がまだまだです。
また、ネット投票を導入できるとなっても、地方自治体の住民投票や首長選挙における期日前投票から始めるのが妥当でしょう。これらは制度設計が比較的シンプルで、実証実験としても適しています。
日本の若者の投票率は低く、若者の声が政治に届かなければ、世代間の政策格差は広がる一方でしょう。ネット投票は投票率を上げる有効な手段とも考えられ、民主主義の質を高めることにもつながりそうです。マイナンバーという基盤は整いつつあります。あとは、それを段階的に社会実装する国民や政治家の意思だといえそうです。








