外国投資による
延命は可能か
中国は一帯一路をはじめとして、権威主義国や統治の弱い国への投資を拡大してきた。これには明確な機能がある。
それは、国内に余っている生産力と労働力を外国に吸収させることである。つまり、一帯一路の真の目的は国内不安を解消するためであって、「シルクロード構想」などといった仰々しい国際戦略は、あとからとってつけたようなものだ。
一帯一路では、建設会社、鉄鋼、セメント、発電設備、労働者などを海外案件に投入することで、国内での失業や倒産を先送りできる。
だが、この方法には限界がある。投資できるのが、中国の投資を必要とするような経済的・政治的に遅れた国に限られており、その多くは独裁国家や強権国家である。吸収できる規模が限られ、中には回収不能リスクが高いものも多い。
いくら一帯一路を広げようが、深めようが、中国経済への寄与はごくわずかであり、むしろ1月のアメリカのベネズエラ攻撃のように、中国からの多額の投資が1つのイベントで回収不可能に陥ることもありえる。
そうなれば、一帯一路はむしろ「大きなリスク」にもなりうる。海外投資は「時間稼ぎ」にすぎず、構造的な不良債権処理の解決になることはないだろう。
台湾有事は
「出口戦略」にならない
最近では「中国経済がこのまま停滞すれば、国内矛盾から目をそらせるために、紛争を仕掛けるのではないか」という議論が出るようになった。
たしかにこれはありえるだろう。ただし、台湾有事が中国にとって矛盾の解消につながることはないと考えるべきだ。
理由は明確だ。第一に、台湾有事は総動員型戦争にならず、余剰労働力を吸収できない。第二に、国際世論が反中国に傾けば、経済制裁と貿易遮断が中国経済を襲う。第三に、戦費増大や制裁に伴う生活不安がナショナリズムを上回る可能性があり、そうなれば政権転覆への力となりうる。
とくに第三の理由は深刻であり、台湾有事は、体制の正当性を賭ける戦争になりうる。失敗や長期化は、人民の不満を直接体制に向かわせかねないのである。







