Photo by Yuito Tanaka
九州を地盤とする中堅航空会社、ソラシドエア。インフレによるコスト増加に加え、円安のあおりを受けており、コロナ禍以降も苦戦を強いられている。空港使用料や燃料税の減免などの公的支援も2026年度で終了し、今後は事業環境の厳しさに一層拍車が掛かる。この窮状をどのように切り抜けていくのか。連載『エアライン・鉄道の進路』の本稿では、ソラシドエアの山岐真作社長に円安が続く25年度下期の現状、そして国内線の問題解決に残されたタイムリミットを聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 田中唯翔)
旅客数は過去最高だが
“利益なき繁忙”は続く
――2026年3月期第2四半期の決算は売上高269億円(前年同期は254億円)、中間純損益は600万円の黒字(前年同期は6400万円の赤字)でした。
増収増益ではありましたが、純利益の単位をよく見てください。600「億」円ではなく、600「万」円の黒字ですから。水面から髪の毛が6本出ている程度にすぎません。
売上高と旅客数は過去最高を更新しましたが、利益が付いてきていません。売上高は前年同期から15億円も増えているのに、コスト増に追い付いていないのです。営業利益は約4億円上振れましたが、同時に営業費用が11億円ほど増えています。
営業費用の増加分のうち、9.4億円は国からの空港使用料や航空燃料税の減免額が縮小したことによるものですが、残りはインフレに伴う業務委託費の上昇などです。国の支援が9億円減っている中での4億円の増益ですので、実質的には営業利益はもっと増えているはずです。
しかし、それでもこれだけのコスト増で済んだといえる側面もあります。
それは為替の影響です。25年前半は24年と比べて1ドル当たり7円ほど円高に振れていたため、相対的にさまざまなコストが抑えられていました。コスト削減の取り組みに加え、われわれの想定よりも燃料価格が安定していたことが寄与しています。
にもかかわらず、なぜ利益が出ていないのかというと、それは運賃単価が上がっていないからです。
当社が設立された20年以上前、大手航空会社の東京―宮崎便は3万円を超えていました。そのため、われわれは当初、運賃を2万円に設定しようとしていました。ところが2万円どころか、現状は1.3万円台に落ち込んでしまっています。この状況では相当厳しいと言わざるを得ません。
――なぜ運賃単価がこれほど低いのでしょうか。
国内線事業の低迷が続く航空業界。九州を地盤とする中堅航空会社、ソラシドエアもその例外ではない。次ページでは、山岐社長が厳しい事業環境とその窮状を告白する。







