Photo:Sir Francis Canker Photography/gettyimages
東京の「一極集中」が日本の課題とされるなか、都市部での人口増の流れは世界的に加速している。前日本銀行総裁の黒田東彦氏が執筆するダイヤモンド・オンラインの連載『黒田東彦の世界と経済の読み解き方』の今回のテーマは、「世界10大都市」。黒田氏が実体験を踏まえて評する世界の10大都市の現状と将来は?
人口が最も多い都市はジャカルタに
東京は3位に転落
長年にわたって世界で「人口が最も多い」都市とされていた東京が、首位から陥落した。
国連が2025年11月に公表した報告書『世界都市化見通し』(2025年版)によると、インドネシアのジャカルタが約4200万人で初めて世界首位となった。次いでバングラデシュのダッカの約3700万人で、約3300万人の東京は3位に後退した(下図参照)。なお、この人口は国連が独自に定義・推計したもので、都市の周辺地域を含む都市圏の値であり、今回から若干算出法も変わっている。
人口の10大都市ランキングで目を引くのは、アジアの9都市がトップ10入りしていることだ(残る一つはエジプト)。アジアに世界の人口80億人の55%、44億人が住んでおり、その多くが海岸の都市部に住んでいることを反映している。
一方、人口以外にも都市を評価する指標はさまざまある。住みやすさや魅力度・繁栄度などで世界の大都市をランキングにした、フランスの大手調査会社イプソスの『世界のベスト都市レポート2026年』によれば、世界の「ベスト都市」は英国のロンドンで、2位が米国のニューヨークとなり、東京は4位であった(下図参照)。
世界の人口10大都市のうち、ベストテンの都市に入っているのは、東京だけである。だが、やや欧米風の判断基準に偏っているようにも思われ、上位に上海やソウルが入ってもおかしくない。他方、ランク入りしたシンガポールやドバイは、歴史や文化の魅力度も希薄なように思う。
私は、これらの都市の全てに行ったことがある。東京には50年近く住んでおり、東京が世界でベスト4都市というのもよく理解できる。次ページでは、私なりに、世界の大都市の現状と将来について論じてみたい。









