2月8日の衆院選の自民党圧勝を受けて、5万7000円を上回った日経平均株価を示すモニター=2月9日午前2月8日の衆院選の自民党圧勝を受けて、5万7000円を上回った日経平均株価を示すモニター=2月9日午前 Photo:JIJI

衆院選での自民党の歴史的な圧勝は、金融市場にとってもサプライズだった。選挙結果を受け、日本株は急上昇し、債券と円にも買いが集まった。2025年秋から続いた株高・円安・債券安の「高市トレード」は終わりを告げ、新たな局面へと突入した。金融市場は衆院選の結果をどう解釈し、今後どう動くのか。(経済ナビゲーター 村田雅志)

衆院選で自民党圧勝のサプライズ
金融市場は「株高・円高・債券高」で反応

 2月8日投開票の衆議院議員選挙で、高市早苗首相率いる自民党が単独で316議席を獲得し、与党全体では352議席と、憲法改正発議や法案再可決が可能な3分の2超を確保した。事前予想では自民党の獲得議席が過半数前後にとどまっていたことを踏まえれば、今回の圧勝劇は金融市場にとって大きなサプライズとなった。

 サプライズを受けた金融市場の反応は興味深いものとなった。日本株市場は買い優勢の展開となる一方で、債券と為替の両市場は冷静かつ警戒感をにじませる動きだ。

 日本株市場では、投開票翌日の2月9日に日経平均株価が、一時、前週末比3000円超えの5万7337円を記録し、史上最高値を更新。その後も株高基調は続き、12日には一時5万8000円を超えるなど、政権基盤の安定で高市政権による成長投資の加速期待から海外投資家を中心に買いが集まった。

 高市政権は、発足当初に危機管理投資、AI・半導体などの戦略分野への重点配分を掲げてきた。衆院選を経て政権基盤が盤石化したことで、こうした方針が続くとの確信を強めたとみられる。

 一方、債券市場は冷静だった。日本の10年債利回りは前週末比で0.04%程度の上昇にとどまり、2.27%前後と小幅な動きだった。超長期債は一時売りが強まる動きも見られたが、翌10日には買い戻しが入り、金利上昇の動きは抑制された。

 為替市場では円買いの動きとなった。衆院選前に157円ちょうど付近で終えたドル円は、9日早朝こそ157円台後半に上昇したが、その後は下落基調で推移。9日には156円割れ、10日には一時154円ちょうど近辺、11日には152円台半ばへとドル安・円高が着実に進んだ。

 日本株が一段高となる一方で、金利上昇が抑制され、為替市場で円が買い戻されたことは、株高・円安・債券安の(いわゆる)「高市トレード」が終焉したことを示唆している。衆院選サプライズに、株高・円高・債券高の“トリプル買い”で反応した金融市場は今後どう動くかを考えてみたい。