高市早苗自民党総裁Photo:JIJI

公明党の連立政権離脱で首相指名は10月20日以降に後ずれ。10日、14日と日本株は続落した。野党乱立でも高市氏の首相就任はなお有力で、米中摩擦は再燃も全面戦は回避濃厚だ。APEC首脳会議、FRB(米連邦準備制度理事会)利下げ開始、AI投資継続、業績底打ちなどが年末の再上昇を支えるだろう。(UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント ジャパン・エクイティ ストラテジスト 小林千紗)

公明離脱で首相指名が後ずれ
米中摩擦再燃もあり株価急落

 10月10日、公明党は自民党との26年間の連立関係を解消した。その結果、10月15日に予定されていた首相指名が20日以降に後ずれすることとなり、必ずしも比較第1党の自民党総裁である高市早苗氏が国会で首相指名を受けて首相になれない可能性が指摘されている。

 加えて米国時間では、米中関税引き上げの脅威が再燃し、米国製の重要なソフトウエアの輸出規制の可能性浮上も加わり、10月10日と14日の下落で、日本株は総裁選後の上昇分をすべて吐き出した。

 これは大きな不確実性の高まりであり、短期的に株式市場にはネガティブである。しかし我々は引き続き、高市氏が首相に就任すると考えている。現時点の状況は流動的であるが、野党はいずれも少数党であること、各党の政策に不一致の点が多く一丸となることが困難であろうと思われるからだ(図表1参照)。

 次ページでは、高市氏が首相に就任する見通しのうえで、株価の動向を分析していく。