イラン発「石油危機」の焦点はGWの需要増大、積極財政の高市政権はポピュリズムに走る?レギュラーガソリンの価格が200円となったガソリンスタンドの価格表示(3月15日、長崎市) Photo:JIJI

「発言はカジュアル、行動はワイルド」

 国際社会を振り回す米大統領、トランプの言動について有力な日本政府の政権幹部はこう評した。確かにトランプは世界が注目する中で米国の大統領とは思えないどぎつい表現を連発する。

「今後2~3週間で(イランに)猛攻撃をかけ、イランを石器時代に戻す」

「時間切れが迫っている。(イランに)地獄が訪れるまであと48時間だ」

 トランプは2月28日のイランへの米国とイスラエルによる奇襲攻撃以来、こうした発言をほぼ毎日のように繰り返す。しかも発言の中身は二転三転。対するイランは徹底抗戦の構えを崩さず、4月3日には米軍のF15E戦闘機を撃墜した。トランプの強気な発言とは裏腹に戦闘は長期化の様相を呈する。

 政府関係者すら「トランプは過去に学んでいない」と指摘する。その「過去」とは米中枢同時多発テロを契機に始まったイラク戦争のことだ。当時のイラクの指導者だったサダム・フセインが逮捕され、死刑が執行されたが、フセインの死により米政府は交渉相手を失いイラク国内は混迷の度を深めた。今回もイランの最高指導のハメネイをはじめ政権幹部が次々に殺害され有力な交渉相手を失った。イラン情勢が混迷する大きな要因となった。

 イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖は石油の高騰を惹起させた。日本が輸入する石油の9割が通過するホルムズ海峡は日本の産業、国民生活を維持するための生命線。そこで日本政府が描いたシナリオは世界最大級の石油備蓄を放出して時間稼ぎをしながら、(1)中東に代替する供給源の確保、(2)中東でのホルムズに替わるルートの活用を目指す――。2日に開催された「重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース」の初会合では新たな供給先の具体的な国名などを挙げた。