ビジネスパーソンに必須!経済&ビジネスの最重要キーワードPhoto:PIXTA

連載『ビジネスパーソンに必須!経済&ビジネスの最重要キーワード』の今回のキーワードは「第3号被保険者」。第3号被保険者制度は、会社員や公務員の配偶者が保険料を直接払わずに基礎年金を受け取れるというものです。以前は多数派だった専業主婦世帯を前提に設計されたものでしたが、共働き世帯が主流となった現在、不公平感は強まっています。制度創設の経緯と改革の行方を解き明かします。

保険料を支払わずに基礎年金を受け取れる
「主婦年金」にメスは入るか

 4月13日、自由民主党と日本維新の会は社会保障改革を巡る実務者協議を行い、公的年金における「第3号被保険者」制度、いわゆる主婦(夫)年金の対象者を縮小する方向で議論することで一致しました。

 そもそも第3号被保険者とは何でしょうか。

 自営業者やフリーランス、その家族、学生などは国民年金に加入します。この国民年金の加入者が第1号被保険者です。一方、会社員や公務員は厚生年金に加入しており、第2号被保険者と呼ばれます。

 そして、第2号被保険者に扶養される20歳以上60歳未満の配偶者で、自ら第2号被保険者にも第1号被保険者にもならない人が、第3号被保険者です。具体的には、会社員や公務員に扶養される配偶者で、原則として年収が130万円未満の人が該当します。

 では、なぜ第3号被保険者制度の対象縮小が議論されているのでしょうか。

 背景にあるのは、不公平感です。第1号被保険者の配偶者や独身者は、自ら保険料を支払わなければ年金を受け取れません。ところが、第3号被保険者は保険料を直接支払わなくても、将来、基礎年金を受け取ることができます。

 もう少し具体的に見てみましょう。

 第1号被保険者は国民年金の保険料を支払い、将来、基礎年金を受け取ります。第2号被保険者は厚生年金の保険料を支払い、将来、基礎年金と厚生年金の報酬比例部分を受け取ります。

 第1号被保険者の配偶者は、自ら国民年金に加入して第1号被保険者となり、保険料を支払うことで基礎年金を受け取ります。独身者も同様に、国民年金または厚生年金に加入し、国民年金加入者であれば基礎年金、厚生年金加入者であれば基礎年金と報酬比例部分を受け取ります。

 これに対し、第2号被保険者の配偶者である第3号被保険者は、年金保険料を直接支払うことなく、将来、基礎年金を受け取ることができます。

 では、第3号被保険者に支払われる基礎年金の財源はどこから来るのでしょうか。基礎年金は税財源と各年金制度からの拠出金で賄われており、第3号被保険者分については、厚生年金など被用者年金制度全体で負担する仕組みになっています。

 そのため、第3号被保険者を扶養する配偶者だけでなく、配偶者のいない会社員や公務員、共働き世帯の第2号被保険者も、制度全体を通じて費用を負担している形になります。

 こうして見ると、会社員や公務員に扶養される配偶者が優遇されていると受け止められても無理はありません。第3号被保険者制度について、以前から縮小や廃止を求める声が上がっていたのはそのためです。

 では、第3号被保険者制度はいつ、どのような経緯で生まれたのでしょうか。そして今後、どのように見直されていくのでしょうか。次ページでひもといていきます。