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連休明けの5月7日、日経平均株価は終値で6万2833円84銭を付け、史上最高値を更新した。上げ幅3320円72銭も過去最大だった。連載『ビジネスパーソンに必須!経済&ビジネスの最重要キーワード』の今回のキーワードは「日経平均株価」。ニュースで最もよく目にする株価指数だが、その仕組みを正確に知る人は多くない。今回は日経平均株価の計算方法、歴史、TOPIXとの違い、そして指数が抱える偏りを解説する。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
日経平均株価はなぜニュースで
真っ先に報じられるのか
今回のキーワードは「日経平均株価」です。
連休明けの5月7日、日経平均株価は前週末比3320円72銭高の6万2833円84銭で取引を終え、史上最高値を更新しました。1日の上げ幅としても過去最大となりました。
背景には、米国市場でのハイテク株高や、中東情勢の緊張緩和期待を受けたAI・半導体関連銘柄への買いがありました。
日経平均株価(以下、日経平均)は、日本経済新聞社が算出・管理している株価指数です。名前の最初にある「日経」は、日本経済新聞を指しています。ちなみに、TOPIX(東証株価指数)を算出しているのは東京証券取引所です。
ニュースで株価動向が伝えられる際、まず取り上げられるのは多くの場合、日経平均です。1950年9月から公表が始まり、指数自体は49年5月までさかのぼって算出されています。
歴史が古いことに加え、TOPIXが「ポイント」で表示されるのに対し、日経平均は「円」で語られるため、一般の人にとっても直感的に分かりやすいという特徴があります。
では、日経平均はどのように計算されているのでしょうか。
日経平均は、東証プライム市場に上場する銘柄から選ばれた225銘柄を対象にした単純平均型の指数です。もともとは225銘柄の株価を合計し、それを225で割るところから出発しました。この分母に当たる数字を「除数」といいます。
ただし、現在の計算は単なる平均ではありません。株式分割や銘柄入れ替えがあるたびに、指数の連続性を保つため、除数が調整されます。
例えば、株価1000円の会社が1対2の株式分割を行えば、理論上の株価は500円になります。このとき除数をそのままにしてしまうと、その銘柄の影響度が突然半分になり、指数の動きが実態を反映しなくなります。そこで除数を調整し、株式分割そのものによって指数が不自然に動かないようにしているのです。
2026年5月12日時点の除数は29.83110217です。26年4月1日の銘柄入れ替えなどに伴い、この水準に引き下げられました。
もう一つ重要なのが、株価換算係数です。日経平均は株価の高い銘柄の影響が大きくなりやすいため、株価水準が高い銘柄については、株価に一定の係数を掛けて指数に反映します。こうした調整を通じて、特定の値がさ株に指数が過度に振り回されないようにしているわけです。
これに対し、TOPIXは時価総額ベースの指数です。対象銘柄の時価総額を合計し、基準時点からどれだけ増減したかで算出します。日経平均が「株価の平均」に近い指数であるのに対し、TOPIXは「市場全体の企業価値の変化」をより反映しやすい指数だといえます。
実は、日経平均は最初から日本経済新聞社が算出・管理していたわけではありません。では、当初、算出していたのはどこだったのでしょうか。
次ページでは、その答えを明らかにするとともに、日経平均の歴史と、現在の指数が抱える特徴を見ていきます。







