利下げを見送ったFRBのジェローム・パウエル議長と利上げを見送った日本銀行の植田和男総裁Photo:Federal Reserve, SANKEI
FOMCが示唆したメッセージ
利下げ継続ではなく「確信低下」
3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を3.50-3.75%で据え置いた。声明と経済見通しで重要だったのは、米景気の中心シナリオが大きく崩れていない一方、見通しの質が悪化したことである。
FOMC声明と同時に公表された経済見通しでは、2026年の実質GDP成長率2.4%、失業率4.4%、PCEインフレ率2.7%がそれぞれ示され、年末時点の政策金利(中央値)は3.40%と、年内1回の利下げの形を維持した。数字だけ見れば「成長は思ったほど悪くなく、利下げ余地も残る」と読める。
ただ、注目すべきは水準そのものよりもリスク分布である。FOMC参加者は、成長の下振れ、失業率の上振れ、物価の上振れを同時に意識している。ベースラインはソフトランディング維持でも、テールリスクはスタグフレーション寄りに傾いたということだ。
米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長も、FOMC後の会見で関税と原油高が足元の物価を押し上げている一方、長期の期待インフレはなおアンカーされていると説明した。雇用についても、需要減速だけでなく労働供給の減速が影響しているとの認識を示しており、現時点で景気後退を本線とは見ていない。
今回のFOMCは、利下げの継続を確認した会合ではなく、「利下げに対する確信の低下」を示した会合とみるべきだろう。







