日銀追加利上げ「26年後半」がメインシナリオ?中東情勢や高市政権の“けん制”で様子見続く金融政策決定会合を終え、記者会見する日銀の植田和男総裁=4月28日 Photo:JIJI

3会合連続で政策金利据え置き
物価見通し大幅上方修正も利上げ見送り

 日本銀行は4月28日に開いた金融政策決定会合で、3会合連続での政策金利の据え置きを決めた。

 金融市場では4月初めの時点で、7割以上の確率で4月会合での0.25%利上げ実施が予想されていたが、その後、植田和男総裁の講演などでの日銀の情報発信を通じて利上げ期待は修正され、決定会合の直前には利上げ観測はほぼなくなっていた。

 その点では、今回の決定は予想された通りで、中東情勢を受けた原油不足、原油価格上昇の影響を見極めるために日銀が利上げを見送ったと考える向きが多い。

 しかし、昨年12月の前回の利上げから4カ月程度しか経過していないことから、そもそもこのタイミングで利上げが行われるとの観測が一時高まっていたことは行き過ぎていたとも言えるだろう。

 とはいえ、今回の決定会合で、市場では次回の6月会合での利上げ確率が高まったとの受け止めが少なくない。

 それは主に三つの理由からだ。第一に、政策委員会メンバーのうち3人の審議委員が、政策金利据え置きの議長案に反対し、1%への利上げを主張したことだ。

 政策金利据え置きへの反対は、前回3月会合の1人から今回は3人へと予想外に増えた。

 第二に、今回、改定された「経済物価情勢見通し(展望レポート)」で消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率が、2026年度が前回1月の+1.9%から+2.8%へと予想外に大幅に上方修正された。

 さらに26年度、27年度については、この物価見通しに対して、上振れリスクの方が大きいとの見方が多く示された。

 第三に、展望レポートの概要の最後では、「とくに、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、十分に留意する必要がある」と締めくくられ、中東情勢、原油価格上昇による景気の下振れよりも物価の上振れリスクを日本銀行がより重視している印象を与えたことがある。

 だが、植田総裁は決定会合後の会見では、物価の上振れリスクについて、基調的な物価上昇率の上振れがあるのかどうか、一方で景気の下振れリスクについては、大きな景気調整が起こり得るのか「もう少し確認したい」と述べるにとどめた。次回の6月会合での利上げを示唆するような発言はなく、総裁の説明は全体として曖昧なものだった。

 日銀は、追加利上げの方針は維持しつつも、なお様子見姿勢(ルックスルー)を続けざるを得ないのではないか。