金融政策決定会合後、記者会見する日銀の植田和男総裁=1月12日、東京都中央区 Photo:SANKEI
日本銀行の1月会合後の情報発信は、金融市場にはややハト派と受け止められた。しかし、金融環境の点検などの機動的な手段を用い、既往の利上げが賃金・物価上昇継続の妨げにならないと確認できれば次の利上げに移る、との示唆は注目に値する。4月の利上げ確率は大きく高まった。ただし、円安トレンドを止めるには力不足である。(SOMPOインスティチュート・プラス エグゼクティブ・エコノミスト 亀田制作)
日銀1月会合の総裁会見が示唆する
政策運営スタンスのひそかな変化
日本銀行は1月22、23日の金融政策決定会合で、事前予想通り政策金利を0.75%に据え置いた。植田和男総裁は記者会見で、物価の2%目標の達成について、「(昨年)10月の展望レポートと比べると確度は上がっている」と発言したものの、次回の利上げ時期が前倒しされるとまでは言わなかった。
また、その時点で急速に進行していた円安について一定の警戒感を示したものの、内容的にはこれまでと特に変わらないコメントであった(円安の国内物価への影響が近年高まっている、など)。
長期金利については、「かなり速いスピードで上昇」しているとの認識を示した。だが、機動的な国債買い入れオペで対処するのか、量的引き締め(QT)のペース見直しにも踏み込むのかどうかは言及を避け、「政府と緊密に連絡しつつ、政府、日銀のそれぞれの役割を踏まえしっかり見ていく」という公式答弁に(意図的に)終始した。
このため、総裁会見の前後では、為替市場は小幅ながら一段の円安で反応した。為替市場が大きく円高方向に振れたのはその後、日本時間の深夜にニューヨーク連邦準備銀行のレートチェックが入ったことによって、米国との協調介入に対する警戒感が一気に高まったからである。
このように今回の会合でも、日銀のスタンスは引き続きややハト派と受け止める向きが一般には多かった。しかし、筆者は、総裁会見で示唆された次回の利上げプロセスに注目している。
次ページでは、日銀が最速で4月会合での利上げを視野に入れていると考えられる、総裁会見で注目すべき植田総裁発言の4つのポイントを解説する。







