
トランプ関税は日本のGDP1%押し下げ!?
内外環境大きく変化、次は「9月」?
日本銀行は3月18~19日に開いた金融政策決定会合で、大方の予想通りに政策金利の据え置きを決めた。対外公表文では、リスク要因に、トランプ関税を念頭に「各国の通商政策等の動き」という文言が追加された。
4月3日にトランプ大統領が発表した「相互関税」はそのリスクが現実になる可能性を強めるものだ。
米国は、全ての国に一律10%の関税を課すほか、「不公平な貿易慣行がある」として約60カ国・地域を対象に「相互関税」を課すとした。
相互関税率は日本は24%、EUは20%、中国は34%などとなっている。こうした幅広い高関税が実際に発動されるとなると、米国経済だけでなく、世界経済や貿易にも大きな影響が懸念される。日本も一連のトランプ関税でGDPが1%弱、押し下げられる可能性がある。
1月の前回会合で追加利上げを決めた時点と比べると、トランプ関税などによる米国経済減速の懸念のほかにも、国内では野菜、コメ価格の急騰など経済・金融環境は大きく変化しており、現時点で早期の追加利上げは見通せない状況だ。
昨年12月の決定会合後の記者会見で植田和男総裁は、トランプ政権の経済政策と2025年の春闘に向けた賃上げのモメンタムを見極めることが、次の追加利上げの条件になる、との説明をしていた。
そして1月の決定会合では、1月20日のトランプ大統領の就任日に打ち出された経済政策は想定内であり、金融市場の混乱は見られなかったことや支店長会議の報告などから、春闘に向けた企業の賃上げ姿勢は前向きなことを理由に挙げ、利上げを決めた。
しかしその後、追加利上げには逆風となる主要な環境変化が6点、起きている。
日銀が次に追加利上げに踏み切るのは9月、早くなるとしても7月だろう。