FRB議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏 Photo:Tom Williams/gettyimages
パウエル議長最後のFOMC、政策金利据え置き
トランプ氏指名の新議長、独立性への信認課題に
FRB(米連邦準備制度理事会)は4月28~29日に開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)で、政策金利年3.50%~3.75%を、3会合連続で維持することを決めた。
イラン情勢やホルムズ海峡封鎖を受けた原油価格高騰による物価や雇用への影響がなお不透明な中で、状況を引き続き注視する姿勢だ。
5月15日に任期満了を迎えるパウエル議長にとっては、トランプ大統領から執拗(しつよう)な利下げ要求が続いてきた中、議長として臨む最後の会合となった。
パウエル氏は「経済見通しは依然として不確実性が高く、今後も注意深く見ていく」と従来の考えを語り、ウォーシュ氏に対し、不透明性の高い局面でも金融政策を適切に運営することへの期待を表明した。
後任人事は、トランプ大統領が指名したウォーシュ氏を4月29日に連邦議会上院の銀行・住宅・都市問題委員会が承認したことで実質的に決着し、上院本会議での承認と大統領による任命を経て、確定する見通しだ。
だがウォーシュ新議長の下でのFRBの金融政策運営は簡単ではない。
執拗な利下げ要求を行うトランプ大統領がウォーシュ氏を指名しただけに、金融市場には政権の意向に沿った政策運営を行うのではないかとの疑念が生じやすい。ウォーシュ氏にとって最大の課題は、金融政策の独立性に対する信認を維持することだ。
ガソリンなどのエネルギー価格が高騰する一方で米国経済の底堅さを考えると、ウォーシュ氏が就任後に利下げを再開することは考えにくい。だがそれでも、インフレ期待の上昇を通じた二次的効果の防止のための利上げを遅らせるようであれば、金融市場では政権に対する忖度(そんたく)への懸念が生じ得る。
ウォーシュ氏にとって、個々の政策判断が政治的配慮の結果でない点を立証する責任が大きくなる。ほかにもウォーシュ新体制の課題は数多くある。







