FRB議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏 Photo:Andrew Harnik/gettyimages
絶好調続く株式市場
AIブームで企業利益は急伸
それにしても株式市場は絶好調だ。イラン危機もなんのその、原油価格が高止まりする中で株価はすぐに回復をはじめ、危機緩和の観測が浮上するごとに株価の上昇が続く。気がつけば高値を更新し続ける展開だ。
ちょっと不安になるほど強気な相場つきだが、それを支える具体的な材料もある。米国におけるAIブームの力強さと、それに伴う企業収益の急増だ。
今年1-3月期でみると、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、メタの4社だけで1300億ドル(20兆円強)もの金額が設備投資に投じられている。本来なら今頃落ち込んでいたかもしれない景気が下支えされ、関連企業の収益が大幅に伸びるのもうなずける規模だ。
S&P500全体でみると、EPS(一株当たり純利益)は現在13~15%程度と高水準の成長を続けており、今後さらに高まる可能性もある。ハイテクセクターに限ってみれば、今後1年で40~50%ほどの伸びが期待できる。
こうした企業収益の状況は大方の予想を超えるものであり、米国経済の強靭ぶりを強く印象付けるものと言えよう。
疑問視される高成長の持続性
見えていない個人消費への波及
もちろん、これだけの高成長の持続性には疑問もつきまとう。経済全体の成長率が明確に高まらないかぎり、一部セクターだけが大幅に利益を増やしても、必ずどこかにひずみが生じるはずだ。
それに、現在のAI投資ブームによる利益の急増はいわば企業間取引を主体としたものであり、最終的には消費者サービスなどで元を取らなければならないが、その道筋は現時点で必ずしも見えていない。
とはいえ、テクノロジー大手企業が、ブームに取り残される恐怖から投資競争を繰り広げる限り、現在の活況は続いていくことになろう。
バランスのとれた経済成長の姿とは言い難いものの、こうした投資ブームのおかげで、ひところ取り沙汰された米国経済の後退懸念は、ほぼ払しょくされつつあるようだ。







