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熊本を襲った最大震度7の地震に、都市部にも襲いかかる線状降水帯などの水災。日本に住む以上、これらの災害にそなえることはどのマンションにとっても必須課題だ。日頃の防災訓練や備蓄などの備えに加えて、じつはマンションならではの欠かせない対策があるという。それがマンション管理規約を万一の被災時に備えて改正しておくことだ。災害時に規約が不備のため、命や財産を守るための動きができない可能性もあるからだ。連載『マンション羅針盤』の第36回では、マンション管理士が関連法や制度をひもときながら、被災時の三つのフェーズに合わせた対策を詳細に伝授する。(コネクトコンサルティング 代表取締役・税理士法人アイム会計事務所 社員税理士 大浦智志)
地震の3段階で、直すべき規約は違う
生命・生活・再建、それぞれに向けた処方箋とは
熊本地震で改めて浮き彫りになった、マンションの安全性。現在被災地の家屋被害の全容はまだ明らかになっていません。そして8月13日には千葉県などで線状降水帯による被災が起こりました。被害を受けられた皆様にお見舞いを申し上げます。これを機に「地震や水害などの災害にマンションが備えるにはどうしたらいいのか」を考えてみましょう(この原稿は8月14日執筆時点の情報を元にしています)。
現行の耐震基準で建てられた分譲マンションは人命に危害を及ぼす倒壊等を防ぐことが目標とされており、建物倒壊で人命が失われるケースは比較的少ないといえます。そのため安全性が高く被害が軽微なマンションでは、在宅避難が自治体から選択肢の一つとして案内されることもあるほどです。それでも災害によっては、断水・停電や、マンション管理組合が機能不全になるなどで、建物は無傷でもマンションに住めなくなるケースもあります。つまり「マンション機能の喪失」により居住不能になってしまうわけです。
では何をすべきか。本来は自分のマンションで何が起こるかを洗い出し、備蓄と訓練を重ね、役員が交代しても続く防災組織や体制をつくる、という平時の備えに勝るものはありません。とはいえ、そこまで手が回らない組合も多いはずです。ならば、せめて最低限やるべきことが管理規約の改正です。総会の議決一本で済み、議論するいとまがない有事にこそ効果を発揮します。
今年は特に4月に区分所有法の改正が施行されたこともあり、国土交通省が管理規約のひな型であるマンション標準管理規約(以下標準管理規約)も改正した上で、全国の管理組合に規約の見直しを呼びかけています。具体的にどのように見直すべきか。本稿では次ページから発災後の経過時間に応じて必要となる「生命の確保」「生活の維持」「生活の再建」のテーマごとに3段階に分け、それぞれで取るべき対策について検討してみましょう







