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ソニー・ホンダモビリティ(SHM)のEV(電気自動車)「アフィーラ」は、ホンダの戦略変更によって発売中止に追い込まれた。しかし、その頓挫を単なるEV戦略の誤算として片付けることはできない。背景にあったのは、ホンダとソニーグループが最後まで共通できなかったモビリティの未来像だ。特集『自動車 解体』の#2では、ホンダとソニーの“同床異夢”の実態をつまびらかにするとともに、その違いが最も鮮明に表れた、自動運転を巡る「幻の計画」の内幕に迫る。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
急転直下のアフィーラ発売中止
ホンダとソニーの同床異夢
ソニー・ホンダモビリティ(SHM)の上層部に、ホンダの「0(ゼロ)シリーズ」などEV(電気自動車)3車種の発売中止が知らされたのは、対外発表された3月12日の直前だった。
その後、ホンダ、ソニーグループ、SHMの3社は約2週間にわたって協議を重ねた。焦点となったのは、2026年内に米国で発売予定だった「アフィーラ1」とその後継モデルをどうするかだ。最終的にSHM上層部がアフィーラの発売中止を決めたのは、対外発表前日の3月24日ごろ。アフィーラの命運は急転直下で決した。
ホンダが発売中止を決めた3車種とSHMのアフィーラは、共通のプラットフォーム(車台)を採用していた。そのため、ホンダの方針転換が伝わった時点で、SHM社内では「アフィーラの発売中止は既定路線」との見方が広がっていた。
それでも、SHM社内では発売中止に異を唱える声は少なくなかった。
アフィーラが目指したのは、従来の自動車とは異なる“進化するクルマ”――、SDV(ソフトウエア定義車)の世界だ。SDVは発売したら終わりではない。顧客から収集したデータやフィードバックを基に、ソフトウエアの更新を重ねながら性能や機能を進化させていく。
アフィーラの発売中止は単なる新車計画の中止ではない。来るSDV時代の競争に、スタート地点から参戦できなくなったことを意味していた。
22年、ホンダとソニーという二大企業がタッグを組み、鳴り物入りで発足したSHM。しかし、アフィーラが白紙となる以前から、両社が描くモビリティの未来像は必ずしも一致していなかった。
次ページでは、ホンダとソニーの“同床異夢”の実態をつまびらかにする。そして、その違いが最も鮮明に表れた、自動運転を巡る「幻の計画」の内幕に迫る。







