ホンダのメアリズビル完成車工場でEVの電池パックを組み立てる従業員 Photo:JIJI
ホンダがEVで2.5兆円規模の巨額損失の計上し、「脱エンジン戦略」の修正する。3月25日には、ソニーグループとの合弁会社が手掛けるEV「AFEELA(アフィーラ)」の開発・発売中止を公表した。実は、この巨額損失と戦略見直しには昨年から予兆があった。ホンダのEV向けバッテリー強化策の変遷をたどると、脱エンジン戦略の瓦解は既定路線だったことが分かるのだ。長期連載『自動車 “最強産業”の死闘』内の特集『ホンダ危機』の#3では、EV巨額損失の前兆となったホンダのバッテリー戦略の挫折を明らかにするとともに、捲土重来を図るホンダが取るべきバッテリー供給体制を徹底検証する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
「脱エンジン」を掲げたホンダ三部社長
GSユアサや韓国LGグループとタッグを組んだが…
ホンダは3月12日、目玉商品のEV(電気自動車)3車種の開発中止などにより、2.5兆円規模の損失を計上すると発表した。現金支出を伴わない費用も含め、2026年3月期だけでも損失は1兆円規模に膨らむ見通しだ。
ホンダの三部敏宏社長が21年の就任時に掲げた、40年の新車販売を全てEVとFCV(燃料電池車)にするという「脱エンジン戦略」は事実上撤回となる。
実は、この巨額損失と戦略見直しには、昨年から予兆があった。EV向けバッテリー業界の関係者からすれば、脱エンジン戦略の瓦解は既定路線だったのだ。
一度はEVにかじを切ったホンダは、電池メーカーのGSユアサや韓国LGエネルギーソリューション(LGES)と合弁会社を設立するなどして、EVに欠かせないバッテリーのグローバルサプライチェーン構築を目指していた。
ところが、次ページの表のように、25年5月ごろから、世界的なEV需要の失速に伴い撤回や延期が相次いでいた。EVに不可欠なバッテリーの確保を後ろ倒ししているのだから、EVの生産計画が事実上、頓挫しているのは誰の目にも明らかだった。
ただし、計画を大幅に見直すとはいえ、EV開発を全て中止するわけではない。しかも、今後ホンダが主軸に据えるHV(ハイブリッド車)にも専用の電池が必要となるため、バッテリー供給体制の強化、再構築が不可欠であることに変わりはない。
次ページでは、EV巨額損失の前兆となったホンダのバッテリー戦略の挫折を明らかにするとともに、捲土重来を図るホンダが取るべきバッテリー供給体制を徹底検証する。








