スタートアップ最前線

スターテイルグループが描く巨大なWeb3エコシステムの全貌が明らかになった前編に続き、後編ではHODL1との提携がもたらすビジネスインパクトに迫る。企業の資金管理を激変させる「オンチェーン金融×AI」の社会実装は、私たちの働き方をどう変えるのか。長期連載『スタートアップ最前線』の本稿では、次世代インフラをけん引する両氏へのインタビューから、日本発のグローバルWeb3企業が描く未来予測をお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

スターテイルと組むHODL1の役割
オンチェーン金融がもたらす恩恵とは

――前編で伺った巨大なエコシステムの中で、スターテイルは6月に業務提携したHODL1(ホドルワン)や代表の田原さんにどのような役割を期待しているのでしょうか。

渡辺 ブロックチェーン技術への高いレベルでの理解と、世界で何が起きているのかをキャッチアップする能力を持っている人は、国内に多くありません。田原さんは同じ業界で長く実務を積んでおり、それを深く理解している一人です。日本で事業を展開するにしても、世界中で同時多発的にイノベーションが起きているため、最先端の領域を共に走れるパートナーが必要です。

 特に信託型日本円建てステーブルコイン(JPYSC)の展開において、日常決済ではなく、デイトレードやイントラデイスワップ(日中に行われる資金や資産の交換取引)といった、いわゆるオンチェーン金融といわれる先端的な金融ユースケースの実装を進めたい。

田原 海外ではすでに、ステーブルコインを使った国際送金や、クレジットカードシステムと連携した本格的な決済、トークナイズド・ストック(現実世界の株式などの有価証券をブロックチェーン上でデジタルトークン化したもの)の取引が実用化されています。

 しかし国内では、まだそういったユースケースが不足しています。ステーブルコインを使った決済や資金管理の活用事例を創出し、中間業者を排した低コストの運用手段を提供するなど、海外で起きているオンチェーン金融の波を、日本の金融機関と共に社会実装していくことがわれわれの役割だと認識しています。

――オンチェーン金融が普及することで、われわれ一般利用者にどんなメリットがあるのでしょうか。

次ページでは、既存の金融システムを覆す「オンチェーン金融」の驚くべきメリットが明かされる。決済コストの劇的削減やAIによるバックオフィス全自動化といった未来図に加え、巨額出資を決断したSBI・北尾吉孝会長の「凄み」についても渡辺氏が言及。ビジネスや生活を激変させる、次世代資本主義の最前線に迫る。