
ソニーグループやSBIグループが今年、総額100億円を出資したスタートアップがある。シンガポールに拠点を置き、ブロックチェーン開発を手掛けるスターテイルグループ。同社を率いるのは31歳の渡辺創太氏だ。そのスターテイルは6月、東証スタンダード上場企業のHODL1との業務提携を発表した。日本企業が次々に出資し、インフラの心臓部を託すスターテイルとは何者なのか。長期連載『スタートアップ最前線』の本稿では、渡辺氏と同世代であるHODL1代表の田原弘貴氏を交えたインタビューで、若き起業家が世界を舞台に描く「オンチェーンインフラ」の全貌に迫る。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
グローバル基準の組織と技術力で
日本発で世界の技術覇権を狙いにいく
――スターテイルグループは2026年1月、ソニーイノベーションファンドから約20億円、3月にはSBIグループから約80億円の出資を受けました。名だたる日本の大企業が、なぜこぞってスターテイルをパートナーに選んでいるのでしょうか。
渡辺 選んでいただいているのは先方ですので理由は分かりかねる部分もありますが、僕の立場からいえば、やはり弊社がグローバルで戦える組織体制と技術力を持っている点が大きいと思います。
現在、僕自身も米ニューヨークを拠点に活動していますが、世界6カ国にオフィスを構え、約70人のメンバーが居住している場所は23カ国以上です。その半分以上がエンジニアです。
創業初期からグローバルで戦うことを重要視し、最新トレンドをいち早くキャッチアップしながら世界で通用する組織と技術を開発し続けてきた成果が認められているのだと分析しています。
技術の歴史を振り返ると、インターネット領域では米国企業に後れを取り、半導体も総論としては台湾や韓国の方が客観的に強いポジションにあります。AI(人工知能)の分野でも、米国や中国の企業が強い状況です。日本は技術の覇権争いにおいて負け続けている。
その中で、このブロックチェーンの領域から「日本発でグローバルに勝つ、一矢報いに行く」というわれわれの志や心意気を評価していただいた側面も、少なからずあると感じています。
――スターテイルの社名は、「Star(星)」と「Tale(物語)」を組み合わせて、「Web3(次世代の分散型インターネット)の世界で新たな星の物語を作る」という思いが込められているそうですが、多くの競合がいる中で具体的な強みはどこにあるのでしょう。
なぜ、ソニーやSBIがスターテイルに多額の資金を投じるのか。次ページでは、その答えとなる「業界の常識を覆す秘策」が明かされる。ソニー・SBIと仕掛けるメガプロジェクトの全貌、そしてAIが自律的に経済を回す「次の文明」の未来図とは――。







