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需要主導の「好循環」は実現せず
度重なる供給ショックが基調的インフレを形成
日本銀行は6月の金融政策決定会合で追加利上げに踏み切り、政策金利はついに1%台に到達した。政策金利が1%台に乗せるのは実に31年ぶりであり、市場では日本経済の正常化やデフレ脱却の象徴と受け止める向きも少なくない。
しかし、今回の利上げは日銀が本来、描いてきた姿とは異なる。日銀が目指してきたのは「需要主導型のインフレ」であり、賃上げが需要を押し上げ、これが価格転嫁を促し、さらなる賃上げにつながる「好循環」だった。
ところが、実際に物価を押し上げてきたのは度重なる供給ショックだ。コロナ禍によるサプライチェーンの混乱、地政学的緊張によるエネルギー需給のひっ迫、異常気象による食料価格の高騰、経済安全保障を背景とした取引規制、そして深刻な人手不足だ。
中東情勢は米国とイランと間で「60日の停戦」が合意されたが、こうした構図は今後も変わらないだろう。金利1%時代の到来は、日本経済が「需要不足の時代」から、本格的な「供給制約の時代」へ移行したことを告げている。これは、株式市場で評価される企業像を変える可能性がある。
追加利上げ決定の当日、日経平均株価は一時、史上初の7万円台をつけ、22日には7万2000円台まで上昇したあと反落したが、活況の日本株も曲がり角に来ている。






