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中高年のビジネスパーソンにとって、大学教員に転身する道は憧れの“第二の人生”の一つだ。前日本銀行総裁の黒田東彦氏が執筆するダイヤモンド・オンラインの連載『黒田東彦の世界と経済の読み解き方』の今回のテーマは、「大学教授の仕事と報酬」。財務官の退官後に一橋大学大学院教授などを務めた黒田氏が振り返る、大学教授の仕事内容や報酬のリアルとは?
財務官退官後に一橋大学大学院教授に
受講生数百人の論文の採点で苦労
官僚や民間企業で尽力した後、専門知識を活かしてアカデミアに転身するケースがある。私は一橋大学や政策研究大学院大学、米コロンビア大学で教授を務め、それぞれの仕事の内容や報酬は大きく異なっていた。今回はその思い出を振り返りたいと思う。大学教授に関心のある方の参考になれば幸いである。
私は2003年1月に財務官を退官し、同年7月に一橋大学大学院経済学研究科の教授に就任した。大学教授には、小中高の教員のような免許は必要ない。各大学の理事会や教授会が基準を定め、審査して採用を決めている。
私の場合は、これまでに書いた論文や著書を提出して審査を受けた。経済誌「エコノミスト」や業界誌「金融財政事情」に書いたものは、査読を受けていないので対象にならず、大蔵省財政金融研究所(現財務総合政策研究所)の「フィナンシャル・レビュー」に書いた二つの論文と、数冊の単行本および英オックスフォード大学大学院の修士論文が審査対象となった。審査の過程で教授会からいろいろな質問があったと思うが、その内容は覚えていない。
無事に03年7月に教授に就任したが、それ以前の3月に、私は内閣官房参与に就任していた。そこで、週に3日ほど大学の研究室に出て週1回の講義の準備をし、官邸の部屋に週2~3回は出て、月に数回の総理への説明の準備をするという生活になった。
一橋大学の国立キャンパスで行った講義は、学部学生に大学院生が加わった数百人に対して、マクロ経済学に基づき、財政金融政策論を話すというものだった。学生の反応は良く、研究室に質問に来る学生もいた。
ただ、誤算もあった。試験を論文式にしたため、数百人の採点にかなり苦労したのだ。そこで、2年目の講義の試験はマークシート式に変えた。







