あくまでも村役場に寄せられたヒグマの村内出没情報の件数であるが、2021年度から23年度は毎年度10件にとどまっていた。

 それが24年度は26件へ急増し、村役場としても抜本的な対応を考える必要性を感じ、鳥獣対策専門員の新設と渡部さんの採用に至ったことが推察される。そして、ポスト新設後の25年度の件数は36件へ跳ね上がり、それらに渡部さんがスピーディーに対応するようになった。

専門員の配置は
ベテラン猟師の負担軽減に

 直属の上長である産業建設課の内田達也課長は「新たに村内で被害が増えてきたアライグマの調査にも取りかかって、渡部さん一人で2025年度に19頭を罠(わな)猟で捕獲してもらえました。ヒグマだけでなく幅広く鳥獣対策に携わってもらえて助かっています」と評価する。

西興部北海道の西興部村役場 
西興部人口936人の北海道西興部村

 また、前職で渡部さんが日々顔を合わせていた先輩猟師でもある伊吾田さんは、「専門員の新たな配置は、ベテラン猟師の負担軽減に間違いなくつながっています。さらに、西興部村に来てからの5年間で培った猟師としての技能や知識を渡部さんが専門員としてフルに活用していることは、村全体にとってプラスに作用しているはずです」と話す。

早朝、夜間、休日でも
クマ出没情報があれば出動

 渡部さんは「会計年度任用職員」として、鳥獣対策の職に就いている。勤務時間は常勤の正職員と同じ朝8時30分~夕方5時15分。ヒグマの出没情報が寄せられると、早朝や夜間だけでなく休日に出動することもある。その場合は正職員と同じように時間外の手当が支給される。