富裕層必見!資産防衛&節税術Photo:PIXTA

日本国内に住所がある「居住者」は、日本国内で得た所得だけでなく、海外で得た所得に対しても、原則として日本で所得税が課される。しかし、海外で得た所得には、その国(外国)の所得税に相当する税金(国際的二重課税)が課されることがあり、対策なしには大損しかねない。連載『富裕層必見!資産防衛&節税術』の第29回では、元国税「富裕層管理」チームである税理士の目線から、国をまたいで活動する富裕層はもちろん、ビジネスマンも知っておきたい「外国税額控除」制度を解説する。(税理士・元国税「富裕層管理」チームOB 八幡谷幸治)

知らなきゃ大損することも!
「外国税額控除」とは?

 本稿では、国際税務でよく登場する「外国税額控除」という制度について、できるだけ簡潔に説明する。

 国際税務の主な機能・目的として、二重課税の排除という役割が挙げられる。ケースによっては、うまく事前準備をしておかないと多額の二重課税が残る結果となるため、国際的な活動をされる富裕層はもちろん、ビジネスマンもその基本は理解しておこう。

 また、一般的な確定申告と異なり、手続きが少し複雑となるため、税務専門家に依頼することも多いと思われるが、きちんと理解できている専門家(税務署の窓口担当者も含め)は多くはないかもしれないので、その役にも立てれば幸いだ。

 本題に入ろう。日本国内に住所がある「居住者」は、日本国内で得た所得だけでなく、海外で得た所得(国外源泉所得)に対しても、原則として日本で所得税が課される。しかし、海外で得た所得に対しては、その国(外国)の法令でも所得税に相当する税金(外国所得税)が課されることがある。

 このように、一つの所得に対して日本と外国の双方で税金が課されることを「国際的二重課税」と呼ぶ。この二重課税を調整し、納税者の負担を軽減するために設けられているのが「外国税額控除」という制度だ。

 この制度を利用すると、その年に納付することになる外国所得税額のうち、一定の限度額(控除限度額)までの金額を、その年分の日本の所得税額や復興特別所得税額から直接差し引く(控除する)ことができる。

 次ページで、外国税額控除のポイントと共に、対象となる税金の種類や、控除額の計算方法を具体的に解説しよう。