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税務署が必ず税務調査で狙う会社保有の施設が「みなし保養所」だ。みなし保養所とは、本来は従業員の福利厚生の一環として購入したはずなのに、経営者とその親族などごく限られた関係者しかその存在を知らないリゾート施設のことだ。中小企業経営者の節税の手段としてよく使われるものだが、実はこれは、税務調査の格好の標的になるのだ。連載『富裕層必見!資産防衛&節税術』の第28回では、その税務署の狙いとリスク、そして対策を解説する。(税理士 吉澤 大)
税務調査を「呼び寄せる」理由の一つの不動産取得
その中でも最も危険なものとは
会社経営者との会話でよく出る話題が、「何をすると税務調査が来るのか」というものだ。
まず大前提として、税務調査は一定の間隔で、事業規模に応じて定期的に行われる。つまり、何もしなくても時間がたてば税務署は向こうからやって来る。ただし、そのタイミングを早める「引き金」が存在することはあまり知られていない。
その代表的なものとして、売上高の急増と急減、高額退職金の支給、そして本稿で取り上げる「不動産」の取得が挙げられる。不動産取得が調査の契機になりやすい理由は、大きく二つある。
一つは、取得に伴う多額の費用処理には誤りが生じやすく、税務署にとってはその指摘だけでも多額の追徴税額を確保できる「効率的な案件」になるということだ。そして、もう一つのより大きな理由は、脱税によって隠された資金が、その運用先を求める中で、不動産の取得という形で現れることが多い、ということだ。
全ての不動産の取得自体が、脱税した資金で行われるわけでは決してないが、税務署にとっては「前回の調査から時間も経過しているので、そろそろ税務調査に行くか」というトリガーにはなりやすいのである。
実は、その不動産の取得の中でも特に税務署の目を引きやすいものがある。それが会社で行うリゾート施設、つまり従業員のための保養所とその会員権の取得なのだ。
次ページでは、不動産取得、特にリゾート施設や会員権がなぜ税務調査の引き金になるのか、なぜ税務署にとっておいしいポイントなのかを解説し、そのリスクと対策を徹底解説する。対策は二つの点をきちんとできているかに尽きるのである。詳しく見ていこう。







