西田会長 30%は目安でコミットではない。将来に対する更なる成長のための投資が必要なら説明して25%にすればよい。(後略)

佐々木社長 ほとんどの会社が配当性向数値目標を持っていないが総会で答えている。(後略)

西田会長 45%の配当をしたときに、なぜ今外すという議論をするのかということ。来年だってかまわない。(後略)

佐々木社長 中計が達成できないから、配当性向30%を置いておいてもよいというのは……

西田会長 そういう理屈ではなく、30%を外すのは今年じゃなくてもよいのではないかということ。(略)個人株主の立場に立ってみて、今年やるのがよいかどうか。もう一度考え直したらどうか。(後略)

佐々木社長 30%があるから下げて良いということはないと思う。(後略)

西田会長 来年だって遅くないと思う。(中略)ここで決めないと30%で身動きとれなくなるというわけではない。そこまでこだわることはない。(後略)

佐々木社長 逆に5年しかやってきていないシステムにこだわる理由がよくわからない。

西田会長 こだわっているのではなく実績値を出していこうということ。

 しばらく二人の議論、むしろ言い合いが続いた後、意見を求められた室町正志副社長(当時)と二人の社外取締役からもう少し時間をかけて直接二人で話し合ったらどうかとの意見が出され、その年は変更しないこととなった。

 取締役会が終わった翌日、私は佐々木社長に呼びつけられた。「西田会長に昨日の件を謝りに行った。俺がどんな気持ちで謝りに行ったのか、財務はわかっているのか。こうなったのは財務のせいだ」と、厳しい罵声を浴びせられた。

 後日、私は西田会長に、「本意でない提案をして申し訳ありませんでした」と謝りに行った。その際、西田会長から次のように言われた。

「佐々木社長は、自分のことしか考えていない。誰があんたを守っているか、よく考えたほうが良いよ。あんたを東芝モバイルディスプレイ社から戻す際、佐々木社長は昇進させる必要はないと言ってきた。それを覆して専務にしたのは、俺だぞ。よく覚えておくように」と言われたのだった。