社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴#21Photo:primeimages/gettyimages

社外取締役の任期制限を求める資本市場の目が厳しさを増している。国内外の機関投資家が、これまで独立性喪失の目安としてきた在任12年の上限を「10年」へと厳格化し始めているのだ。しかし、ダイヤモンド編集部が上場企業の社外取「全10821人」を調査したところ、機械業界では12年を超える長期在任者が16人に上ることが判明した。さらに、16人の平均年齢は上場企業全体の社外取のそれを大きく上回っていた。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#21では硬直化したガバナンスの実態に迫る。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)

レガシー企業が多い業界で
新陳代謝機能が特に低下している会社は…

 上場企業の取締役会を舞台に、社外取締役の任期を巡る地殻変動が起きている。

 長年、同じ取締役会に身を置き、経営執行陣と密なコミュニケーションを重ねれば、心理的距離が縮まるのは人間のさが。客観的な監督機能は摩耗し、やがては経営の追認者へと変質してしまうリスクをはらむ。

 これまでは、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)などの議決権行使助言会社が掲げる「在任12年」が独立性喪失のデッドラインとされてきたが、ニッセイアセットマネジメントや東京海上アセットマネジメント、JPモルガン・アセット・マネジメントなどの機関投資家は、この12年すら長過ぎると見なし、さらに厳しい「10年以上」を原則反対の目安に掲げ始めている。

 しかし、6月の株主総会を経て取締役メンバーが刷新された機械業界の企業を調べたところ、12年を超える社外取が16人存在することが分かった。しかも、16人の平均年齢は上場企業全体の社外取の平均年齢を大きく上回っていたのだ。

 機械業界と一口に言ってもその範囲は広く、人手不足や技術伝承、デジタル化の遅れなど多くの課題を抱えている。かつて技術力で競争力を発揮していた分野も中国勢が急速に追い上げてきている。

 新陳代謝を阻む硬直した取締役会は、激変する市場を勝ち抜けるのか。次ページでは、大手投資家が設定するデッドラインを大幅に超えて席に座り続ける、長期在任社外取の実名16人を一挙公開する。