社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴#14Photo:123RF

社外取締役と並び、企業統治の実効性を支える存在が社外監査役だ。取締役の業務執行や会計処理を外部の立場からチェックする「監査の番人」は、どれほどの報酬を得ているのか。ダイヤモンド編集部は、有価証券報告書の役員報酬データを基に、上場企業の社外監査役4574人の推計報酬額を独自試算した。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#14では、社外監査役・報酬ランキングの前編として、上位2500人の実名、兼務社数、推計報酬額の合計を公開する。トップの金額は4588万円。3000万円超の社外監査役も13人に上った。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

社外監査役こそガバナンスの要
3000万円超の「監査のプロ」が13人

 企業不祥事が相次ぐ中で、コーポレートガバナンス(企業統治)の実効性が厳しく問われている。

 不正会計、品質不正、データ改ざん、経営トップのハラスメント、子会社の不祥事――。こうした問題が表面化するたびに、社外取締役の監督機能が注目される。しかし、もう一つ見落としてはならない存在がある。社外監査役である。

 取締役が業務執行を監督する立場であるのに対し、監査役は取締役の職務執行や会計処理に不正がないかをチェックする役割を担う。企業に不正の兆しがあれば、外部の立場から問題を察知し、経営陣に是正を迫る「番人」である。

 その役割は、以前にも増して重くなっている。内部統制、会計監査、不正調査、子会社管理、海外拠点のガバナンス、サイバーリスク、人的資本やサステナビリティを巡る開示――。監査役に求められる知見は広がり続けている。

 一方で、投資家の目も厳しくなっている。特定の企業で長期在任する社外役員は独立性が損なわれかねないとして、株主総会で反対票が集まりやすくなっている。米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)や米グラスルイスといった議決権行使助言会社も、社外役員の在任期間に対する基準を厳しくしており、社外監査役であっても「いるだけ」では通用しない時代に入った。

 そこでダイヤモンド編集部は、有価証券報告書の役員区分ごとの報酬等の総額を基に、社外監査役一人一人の推計報酬額を算出した。複数社を兼務する場合は、兼務先の推計報酬額を全て合算し、実際に受け取っている報酬額に近い数字を導き出した。

 今年の社外監査役・報酬ランキングを見ると、上位には三井物産、ソフトバンクグループ、JT、岩谷産業、キユーピー、コマツ、積水ハウス、富士通、デンソー、SBI新生銀行、キッコーマン、リクルートホールディングス、中外製薬、セブン&アイ・ホールディングス、ダイキン工業、信越化学工業、キヤノン、伊藤忠商事など、日本を代表する企業の社外監査役が並んだ。

 トップの推計報酬額は4588万円。4000万円超が3人、3000万円超は13人に上る。社外取の報酬ランキングではトップが9219万円だったのに比べると水準は低いが、それでも社外監査役の上位層には年間3000万~4000万円台の高額報酬を得る人物が少なくない。

 顔触れも、社外監査役らしい。弁護士、公認会計士、元検事総長、大学教授、元CFO(最高財務責任者)など、会計・法務・監査・リスク管理の専門家が目立つ。社外取の高額報酬ランキングでは、元経営者やコンサル出身者、官僚OB、女性プロフェッショナルが目立ったが、社外監査役では、より「守りのガバナンス」に近い専門人材が上位に入っている。

 では、今年最も高額な報酬を得ていた社外監査役は誰なのか。次ページで、上位の顔触れを確認していこう。