Photo by Shintaro Iguchi
上場企業の社外取締役で最多タイの5社を兼務する大久保和孝氏。ニデックの不正会計や小林製薬の紅麹問題など、日本企業で散発する不祥事の裏側で、なぜ経営の「外の目」は機能しなかったのか。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#15では、大久保氏がお飾り役員を痛烈に批判し、自らリスクをつかみに行く「真のガバナンス」の要を激白する。(聞き手/ダイヤモンド編集部 井口慎太郎、大日結貴)
最多タイとなる上場企業5社を兼務
AI同時活用でリスク管理を効率化
――現在大久保さんは上場企業5社で社外取締役を務めています。これは上場企業の兼務社数だと最多タイです。
現在、上場企業ではLIFULL、サーラコーポレーション、武蔵精密工業(監査等委員)、セガサミーホールディングス(監査等委員)、サンフロンティア不動産(監査等委員)の5社で社外取を務めています。
――これほどの数を兼務されると、日々の業務も多忙を極めるのではないですか。
業種によります。私の経験上、最も業務量が多くて忙しいのは圧倒的に製造業と商社です。しかし1年は365日ありますから。十分にこなせます。
特に最近は、4種類のAIを同時に活用してリスクマネジメント・シートの分析やレポート作成を行っており、大幅に効率化しました。ここまでAIを実務に導入している監査等委員は他にいないと思います。
―― 一方で、兼務社数が増えれば担当企業で不祥事が起きる確率も高まります。昨今、不祥事発生時に社外取の監督責任を追及するケースが増えていますが、社外取はどうあるべきだとお考えですか。
不祥事が起きる前に止めることこそが監査等委員の職務です。そのためには、受動的な姿勢を捨て、自ら主体的に情報を取りに行く姿勢が必要です。
――しかし、世の中の社外役員が全員そのスタンスかというと、そうでもない気がします。
それについては世の中が間違っていると言わざるを得ません。
「世の中の社外役員のスタンスは間違っている」と断言する大久保氏。“大モテ”社外取である彼がそう言い切る理由とは何か。そしてニデックなどの日本企業の不祥事から何を学ぶべきなのか。次ページでは大久保氏が日本企業の社外取の実態を基に解説する。







