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社外取締役の任期制限を求める資本市場の目が厳しさを増している。国内外の機関投資家が、これまで独立性喪失の目安としてきた在任12年の上限を「10年」へと厳格化し始めているのだ。しかし、ダイヤモンド編集部が上場企業の社外取「全10821人」を調査したところ、自動車・輸送用機器業界では12年を超える長期在任者が8人に上ることが判明。中には25年以上も超長期在任する社外取も存在する。特集『社外取10821人の全序列【2026最新版】熱狂バブルの落とし穴』の#19で、創業家や財閥の結束が反映されたガバナンスの実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 井口慎太郎)
電気自動車シフトなど課題山積の業界
固定化する社外取締役の顔触れを検証
上場企業の取締役会を舞台に、社外取締役の任期を巡る地殻変動が起きている。かつてはコーポレートガバナンス・コードの形式を満たすための人数合わせに終始していた日本企業だが、今や国内外の投資家から「経営を監視する実質的な独立性があるか」を厳しく値踏みされる時代となった。
中でも在任期間の長さは注視されるポイントだ。長年、同じ取締役会に身を置き、経営執行陣と密なコミュニケーションを重ねれば、心理的距離が縮まるのは人間のさが。客観的な監督機能は摩耗し、やがては経営の追認者へと変質してしまうリスクをはらむ。
これまでは、米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)などの議決権行使助言会社が掲げる「在任12年」が独立性喪失のデッドラインとされてきた。だが国内の機関投資家は、この12年すら長過ぎると見なし始めている。
例えばニッセイアセットマネジメントは、選任時点で在任期間が10年を超える社外取候補者について独立性に疑義があると見なし、原則反対する基準を導入している。東京海上アセットマネジメントやJPモルガン・アセット・マネジメントも「10年以上」を独立性喪失の目安に掲げる。
長期在任への包囲網が強まる中、6月の株主総会を経て取締役メンバーが刷新された自動車・輸送用機器業界を調べたところ、12年を超える社外取が8人存在することが分かった。
自動車・輸送用機器業界においては、電気自動車(EV)シフトや自動運転技術の急速な進展、経済安全保障に直結する国内造船業の復権など、構造転換期特有の複雑な経営課題が山積している。
新陳代謝を阻む硬直化した取締役会は、激変する市場を勝ち抜けるのか。次ページでは、四半世紀に及ぶ「25年超」の長期在任トップを筆頭に、大手投資家が敷くデッドラインを大幅に超えて席に座り続ける、長期在任社外取締役の実名8人を一挙公開する。







