初めての「異職種」への挑戦
不安や戸惑いを乗り越えたプロセス

 Aさんが目指したのは、何よりも「働き方の改善」でした。結果として選んだ道は、大手の設備メンテナンスから地場建設会社の「施工管理」という、異なる職種への挑戦でした。施工管理の有資格者であるAさんだけに、生かせる知識はあったものの、実務は未経験。転職活動も手探りの連続でした。

 スマホでの求人探しに現実味が湧かず、やる気のスイッチが入らない時期があったり、書類選考で思うように結果が出ない日々が続いたりと、戸惑いと不安が押し寄せるときもありました。

 そんなAさんの頼もしい味方となったのが、キャリアアドバイザーである私と二人三脚で作成した「起こり得る未来のスケジュール」だったと言います。

 書類選考の日程をベースに、面接や意思決定の期限、退職交渉の目安がいつごろになるのか。転職活動の初期に全体像のロードマップを細部まで見通せていたからこそ、想定外のストレスや焦りをコントロールし、一歩ずつ前へ進むことができたのです。

 また、求人票に躍る「残業少なめ」という言葉の実態についても、「面接の場で説明される働き方の説明や、働き方の改善に向けた取り組みに、論理的な納得感があるかを確かめましょう」という私からのアドバイスが、Aさんにとって重要な指針となったそうです。

 働き方においては求人票の記載内容と実態との間に乖離があるケースも散見されますが、条件面の良さだけをうのみにせず、面接での対話を通じて労働環境の改善に真摯に取り組む企業かどうかを見極めたことで、納得のいく出合いを果たしました。

 転職の結果、現在は、休日は家族と過ごす時間を最優先にし、趣味のレザークラフトや資格のための勉強を楽しんでいます。充実した日々を過ごすAさんは、理想のワーク・ライフ・バランスをつかむことに成功したといえるでしょう。