早期離職イメージ写真はイメージです Photo:PIXTA

「若手を辞めさせないために厳しくしない」だけでは、早期離職は防げない。むしろ、成長機会を与えないことが新たな離職要因になっているのではないか。企業は若手の早期離職に頭を悩ませ、面談やフォローを増やしている。一方、若手側では「仕事を任せてもらえない」「注意やフィードバックをしてもらえない」といった過剰な配慮、いわゆる「ホワイトハラスメント」が転職のきっかけになりつつある。(DiamondWEEKLY編集室 大根田康介)

「ホワイトすぎる職場」から
若手が逃げ出す?

 2026年8月に転職サイトのエンが公表した「ホワイトハラスメントに関する調査レポート」では、「ホワイトハラスメントで成長できないことを理由に転職を検討する」という考え方に57%が理解を示した。20代では66%に達する。

 さらに、自分自身がホワイトハラスメントを受けた場合、「転職を検討するきっかけになる」と答えた人は41%。その理由のトップが「仕事で成長したいから」64%だった。20代では73%、30代では77%に上る。

 ホワイトハラスメントとは、部下に対して過度に配慮し成長機会などを奪ってしまうことで、若手が求めているのは単なる「楽な職場」ではないようだ。安心して働けることと同時に、「成長できる職場」を求めていることが浮き彫りとなった。

企業の半数以上で
「半年以内離職」が発生

 調査によれば、実際にホワイトハラスメントを経験した人は15%だった。経験内容では、「仕事を任せない(重要な業務や難易度の高い案件から外され、簡単な作業ばかりを割り当てられた)」61%、「強制的な定時退社(本人の意思を確認せず、時間だからと無理やり退社させられた)」34%、「フィードバックの回避(関係悪化を恐れて、ミスをしても注意せず、適切な指導やアドバイスを避けられた)」22%の順だった(図1参照)。

図1 ホワイトハラスメントの具体的な内容

ホワイトハラスメントの具体的な内容(年代別/複数回答可) 出所:エン
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 重要なのは、これらが必ずしも「悪意ある行為」ではないことだ。上司からすれば、「無理をさせたくない」「ハラスメントと思われたくない」「若手には優しく接したい」という配慮かもしれない。

 しかし、部下からすると「いつまでたっても重要な仕事を任せてもらえない」「自分の改善点が分からない」「この会社にいて市場価値が上がるのか不安」となる。「辞めさせないための配慮」が、逆に離職を招いているのではないか。

早期離職の要因として
最多だったのは?

 ここで、エンが運営する「人事のミカタ」の企業側調査(「従業員の早期離職対策」について)を見てみよう。

 2025年に人事担当者303人を対象に行った調査では、直近3年以内に入社した社員がいる企業のうち、56%で入社半年以内の早期離職が発生している。しかも、約7割の企業が入社者の離職・定着率に課題を感じていた。

 つまり、「若手の離職」は一部企業だけの特殊な問題ではない。ではなぜ辞めるのか。

 早期離職の要因(複数回答可)として最多だったのは「仕事内容のミスマッチ」57%。このほか「人間関係」35%、「職場の文化や価値観が合わない」30%、「研修・サポート体制の不足」27%という順番だった。