未経験の壁を突破した「採り手側の視点」と
ポータブルスキルの言語化
有資格者であったとはいえ、なぜAさんは異職種からの転職という高いハードルを越えて、理想の環境を勝ち取ることができたのでしょうか。
最大の要因は、選考において「採り手側(採用人事)の気持ち」を徹底的に意識した点にあります。
同職種への転職であれば専門技術(テクニカルスキル)が刺さりますが、キャリアチェンジにおいては、職種を超えて通用する「ポータブルスキル(持ち運び可能な能力)」をしっかり描かなければ、企業側に採用のメリットを感じてもらえません。
そこでAさんは、私との面談時に「自分が人事担当者だとしたら、この書類を見てどう感じるでしょうか」「その受け答えは、人事から見て採用のメリットを感じてくれそうでしょうか」と問いかけられたことをきっかけに、自身の見方を大きくシフトさせました。
自身のこれまでの経験や強みを、新しい職場でどう再現できるかという「相手目線」で正しく言語化するように強く意識し始めたのです。だからこそ、相手企業側も「自社の風土にフィットし、活躍してくれる人材だ」と確信できたのでしょう。
キャリアアドバイザーという第三者からの客観的なアドバイスを素直に取り入れたうえで、自身の表現に落とし込んだことこそが、転職を成功へと導いた鍵でした。
後悔しない選択のために
意思決定に自信を持つための3つの視点
Aさんのエピソードは、現状のキャリアに悩みつつも、一歩を踏み出せずにいるビジネスパーソンにとって、多くの示唆に富んでいます。ここからは、プロのキャリアアドバイザーとしての視点から、明日からすぐに実践できる、働き方の迷いから抜け出すための「3つの教訓」を整理してお伝えします。
一つ目は、「最初から最後まで、一番かなえたい目的をずらさないこと」です。
転職活動が進むと、魅力的な条件に目がくらみ、心が揺らぐことがあります。内定直前になって「なぜ転職を考えたんだっけ?」と迷子になる方は少なくありません。







