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今回は、過酷な労働環境から脱するために100社ほどの選考に挑み、転職活動中に「自分自身の軸」を見つけ出したAさんの事例をご紹介します。現在、転職活動が思うように進まない人にも必要になる大事な「ヒント」がありそうです。(文=松原 大悟/リクルートエージェント キャリアアドバイザー)

限界寸前の心身を救った
「もう一度、前を向く」勇気

「目の前に限界が来てしまうことが不安なんです」

 キャリアアドバイザーである私にそう話してくれたのは、転職活動の再開を決意して相談に来たAさん。

 休日出勤は当たり前、月50時間を超える残業。数字の上では説明できても、実際にその環境に身を置く個人の精神的な負担は計り知れません。朝起きるのがつらい、夜も仕事のことが頭から離れない。そんな限界に近い状態で、半年前にAさんは転職を決意しました。

 しかし、意を決して始めた転職活動は、想像以上に険しいものでした。当初は求人サイトから企業に直接応募を繰り返したものの、3カ月たっても思うような結果は出ませんでした。不採用通知が届くたびに「自分は社会から必要とされていないのではないか」という根源的な不安に襲われるAさん。

 一度は自信を失い、活動をストップさせてしまいました。

 そんなとき、当社が送った「改めて、面談してみませんか?」というメールが、Aさんの止まった時計を動かしたのです。当時、Aさんはリクルートエージェントに登録していただけでしたが、孤独な戦いの中にいたAさんにとって、そのメールは差し伸べられた温かな手のように感じられたといいます。