マンション羅針盤 管理&売買#39Photo:PIXTA

マンションの大規模修繕工事を巡る談合問題に関して、公正取引委員会が業者約40社に排除措置命令を出すとの報道が流れている。だが、これで談合はなくなるのだろうか?マンション管理組合は具体的にどのような対策ができるのか。連載『マンション羅針盤』の第39回では、現実的な将来像と対策を、実態に詳しいマンション管理士が解説する。(フルニール代表 中村優介)

公取委排除勧告で本当に談合はなくなるのか
マンション管理組合に関心の高い問題の決着点とは?

 2025年に公正取引委員会による談合問題の調査が開始、その後1年以上にわたる調査を経て、管理会社系を含む施工会社と設計コンサルタント計40社に独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、排除措置命令が出される見通しとの報道がなされました。

 談合問題を巡っては、「談合はけしからん」「談合により不当に工事費がつり上げられている」といった声がちまたにはあふれていますが、なぜ談合はなくならないのか、そして管理組合はどうすればよいのかについて今回は解説していきます。

 マンションの大規模修繕工事における談合問題とは、管理組合が大規模修繕工事を検討するに当たり、見積もり取得を依頼した管理会社や設計コンサル、あるいは工事会社が、事前に受注会社を決めて、価格調整された見積書を提出することをいいます。報道によれば、その際に、談合を仕切った管理会社や設計コンサルが工事会社からバックマージンを徴収することで、「本来談合がなければもっと安い価格で入札が行われたはずのところが、割高になっている。管理組合はその分損をしている」というのが問題とされている点です。

 発注者である管理組合にしてみれば、「競争原理を働かせて安価な見積書を取得したいのに、裏で金額を調整されたのでは意味がない」と考えるのでしょう。ただ、このような談合は業界内では以前から頻繁に行われており、個人的にはニュースを見ても「あぁ、ついに公取委に刺されたのか」という感想でした。

 管理組合の方も本件には殊更関心が高いかと思われます。ただ、公取委の摘発が今後行われると、談合はなくなるのでしょうか。そもそも、管理組合はどのような対策ができるのでしょうか。次ページから「現実」をベースにした将来図と対策を考えていきましょう。